思いつき童話

はるむら さき

凍。

どっかの村の話だ。

てきとうに聞いてくれな。

その村のある男が雪女に出会ったんだと。

いわく

「おっかねぇ。いっしょに山越えしてきた隣村の猟師が、あっという間に凍らされちまったんだ。

怖くで、怖くで、おらぁ死に物狂いで逃げてきた。

いいか、おまえたちも気ぃつけろ。むやみに山に近づくなよ。

背筋が凍るほど美しい女だったけんども、ありゃあ化け物だ」

それを聞いた村の若者が二人。

無謀にも不用意に山へ登っていった。

いわく

「背筋が凍るほど美しいんだろ?」

出会ったら?そうだねぇ…

「正面から抱きしめればいいさ」

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