第14話怪談

 「キジマさん」は自身を話題にした者達の元を訪れ、問いを投げかけた。その答えによって相手を赦すか、呪うか、秤にかけた。

 やがて、「キジマさん」の話は事故の事実と、その後「キジマさん」が現れ、問いを投げかけるところまで引っ括めて「怪談」となった。


 しかし、語り継がれるうちに、本編である悲劇のストーリーより後に現れる現象の方があまりに恐ろしい為、そちらが主となり、また問いより答えが求められてしまったのだ。

 恐ろしい「キジマさん」から無事に逃れる為に。


 3つの問いの答えは、決して1つずつではない。

 僕達が必死こいて覚えた答えは正解例の一つであって、それだけではないのだ。

 

 だけど、「キジマさん」と遭遇して、覚えた答え以外を答える者はまずいないだろう。 


 そもそも本編の方が語り継がれるうちに、どんどん原形から逸脱していってしまってはこの怪談は成り立たない。


 僕は可能な限り、当時の友人知人、の話に詳しい者、実際の事件、事故の資料、その他怪しげなモノまで掻き集めた。

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