爪紅(つまくれない)に花の咲く

都心のど真ん中で迷子になったら、古墳のてっぺんに登っていた件

　何言うとんじゃ？というタイトルですが……大変残念なことに実話です。

　ええもう、都心のど真ん中の高層ビル街で道に迷ったら、なぜか山の中でした。

　あの日はとあるカンファレンスに参加するため、芝公園内にあるプリンスパークタワー東京に向かっていたのです。

　事前に確認したGoogleマップでは都営三田線の「芝公園」駅のA4出口から西北西にまっすぐ進めばすぐたどり着けるはずでした。

　実際に地上に出ても、公園の入り口から目指すプリンスパークタワーがはっきり見えています。

　私は迷わずそちらの方向にまっすぐ進み始めました。

　すると、どうしたことでしょうか。

　五分もたたないうちになぜか山っぽいサムシングの真っただ中にいるではありませんか。

　しかも、木々と葛のツルが生い茂りまくっていて、目的地はおろか東京タワーすら見えません。

　かくなる上は、山っぽいサムシングの中で迷った時の鉄則「とにかく高いところに登る」しかありません。

　そうして上ることさらに五分。

　古墳のてっぺんにたどりつきました。

　目的地はやっぱり見えません。

　途方に暮れた私、その場の写真を上司に送りました。

「山っぽいサムシングの中で迷っていて道がどこにあるのかわかりません」

　と。

　返ってきたのはこちらのリンクでした。

https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000187696/?screenId=OUW3701

「円山随身稲荷大明神」

　どうやら増上寺の鬼門を守るお稲荷様で、都内最大級の前方後円墳である円山古墳のてっぺんにあるようです。

　なるほど。

　現在地はわかりました。

　どうやら目的地の目と鼻の先にあるようですが、そちらにたどり着く道は見当たりません。

　仕方がないので上司の勧めに従い、車の音っぽものがする方向にさまよっているうちに無事に道路に戻ることができました。

　結局、公園内を突っ切るよりは、公園の周囲の道路を普通に歩いたほうが早かったようです。

　やはり「急がば回れ」という先人の言葉は正しいようですね！！

　……なお、無事に目的地についてからふと振り返ると、先ほどてっぺんに登っていた古墳がタワーのすぐ隣に見えていました。

　どうやらあそこの崖を降りればたどり着けたうようです（ヤメロ）

　いや、どの道ハイヒール&スカートだったから降りられなかったと思いますが！！