第2話 カツアゲは 弱肉強食 命がけ

弟子志願者はここ3年まったくない。

もう中国武術は時代遅れなのかと私は頭を抱える。

私は中国武術を始める前は喧嘩に明け暮れていた。

街で弱そうな者を見つけるとカツアゲして生活費を稼いでいた。

中には強い者もいる。

弱肉強食の世の中で私は食っていくためには強くならざるを得なかった。

「金を出せや」

「お前にくれてやる金は持ってねえな」

「それじゃ力づくで奪うまでだ死ねや!」

と私はカモに殴りかかった。

カモの鼻に拳が炸裂する。

鼻血を抑えながら膝をつくカモ。

体をひねり仰向けに倒れ気を失った。

「くれてやる金はないと言いながらしっかり持ってるじゃねえか」

と私はポケットからぶ厚い財布を抜き取った。

今日のアガリを手にして立ち去ろうとした時、後ろから両足首をつかまれ私は一本の棒のような状態で前に倒れた。

顔面を地面に打ち付け鼻血が出た。

「くれてやる金はないと言ったよな」

とさっきのカモがうつ伏せになっている私の腰に乗った。

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