第4話 収益化停止する。

結論から言って、『ダンジョン配信動画』が大好きな皆と良好な関係を築くことは、失敗した。

 切り抜き動画を視聴して、それを元にクラスメイトや中学校内の人達と会話する。

 最初の方は、それなりに上手くいっていた。


「春乃加田思ったより話せるじゃん!」


 なんて言われることもあったくらいである。

 しかし所詮は付け焼刃、より深い話をしていくうちに、配信動画そのものを視聴していないことがばれて、険悪な空気になる事さえあった。

 当然、すぐに元動画を視聴すると謝罪して事なきを得たが。


 また、悠の楽しみ方と『ダンジョン配信切り抜き動画』の本来の需要との乖離もちょっとした問題を起こしていた。


「なぁなぁ春乃加田。お前って『ダンジョン配信』の切り抜き動画視聴してるってマジ?」

「えっと、あの時間がないときとか偶に……も、勿論元の動画は視聴しているよ」

「いや別に元動画を絶対に視聴しなきゃいけないわけじゃないだろ?」

「そう、なのかな?」

「そりゃそうさ。ちゃんとした目的のためならむしろ切り抜きを沢山視聴しなきゃだろ?」


 ある日のこと、あまり会話したことがないクラスメイトから唐突に話しかけられて、悠は困惑していた。

 彼は切り抜き



 何故、本来配信動画本編を視聴すべきという意識がある中で、切り抜き動画が存在するのかというのが答えだった。



「なぁなぁ」

  

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