騒がしい家

時輪めぐる

第1話

 パシッ!

 パキーンッ!


 私の家は、やたら音がする。古いわけでも、欠陥住宅でもない。

 新築して、高校二年生になるのと同時に、引っ越してきたばかりだ。だというのに、夜であろうが、昼であろうが、小さな音から、大きな音まで、とにかく音がする。

「安倍さん。それは、木材が乾燥して割れる音ですわ」

 建設会社の人はそう言ったが、何だかそれだけではない気がする。

 第一、今は梅雨で、空気は湿っている。木材が割れるのは、冬などの乾燥した時期なのではないのか。第二に、我が家は軽量鉄骨造で、木材をそんなに使っていない。


(ラップ音なのでは?)


 私は、心配でネット検索したり、母親に訊ねたりした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る