第14話 冒険者ギルド
騎士団長さんと魔術師団長さんに連れられて冒険者ギルドに向かう途中、僕は、
「アイスメルさん、アイスネルさん、少し思ったんですけど、17歳で騎士団長とか魔術師団長とかになるのって快挙ですよね?何かきっかけとかあったんですか?」
と訊くと、騎士団長のアイスメルさんが、
「ああ、それか。実はな、大体半年くらい前に王城を手練れの盗賊を雇って襲撃させた貴族がいてな、どうもこの国唯一の王族の第1王女を誘拐して国王を退位させようと狙ったらしくてな。その盗賊たちの奇襲のせいで見張りの騎士たち、当時そこにいた魔術師団員たちの大半と当時の騎士団長、魔術師団長たちがやられてしまってな。その時に私たちは共闘して当時の騎士団長さんたちが時間稼ぎをしてくれていた国王様の執務室に行って、襲ってくる襲撃者たちを次の日の夜明けまで倒し続けて、残った最後の盗賊を手首、足首の腱を切って動けなくした後、名前は言えないが雇い主を聞き出してその貴族を処刑できたから、もとから剣聖と賢者だったこともあって、騎士団長と魔術師団長に抜擢されたんだよ。まぁ、そのおかげでそれなりに苦労はしてるんだがな。」
と答えてくれたので、
「へぇ~、そうなんですね。でもすごいです!!」
というと、
「いや、カイル君、君のほうがもっとすごいことになるから覚悟しておいたほうがいいと思うぞ?」
と言われて、ハテナ?と思いながら冒険者ギルドに着いた。そして、馬車を降りると、騎士団長さんが、
「馬車はまだそのまま置いておいてくれ。またすぐ王城に行かないといけないしな。ネル、馬車を見張っていてくれるか?」
といったのに対し、魔術師団長さんが、
「りょーかいだよ!お姉ちゃん!行ってらっしゃい!」
と言って、馬車の近くで警戒していた。そして、僕が手を差し出してアイリスを降ろしたのを確認してから、ゆっくりと歩き出したのに続いて、僕らは冒険者ギルドの中に入っていった。冒険者ギルドに入ると、なぜか、
「うおおぉぉぉ!!英雄様たち、来たみたいだぜ?」
とか、数名、近寄ってきて
「握手してください!!」
「サインください!!」
とか言われて、なに、この騒ぎ、と少し現実逃避していると、
「はいはい、ちょっと止まって!!王城から彼らが戻ってきたらいくらでもしゃべれるから。今は止まる!!」
と騎士団長さんに言われて、みんないったん下がってくれたので、
「ありがとうございます。」
と小声で言うと、いやいや、とでもいうように首を横に振っていた。そして、冒険者ギルドの受付に行くと、1枚の書状を取り出し、
「ノクタス王国、騎士団長が国王の許可を得て発言する。ここに連れて来たカイル、アイリス、アッシュ、サラを特別ランク、Zランクに任命する。これは神からの神託によるものである。」
と宣言した。すると、受付の奥から、一人の壮年男性が出てきて、とっさに鑑定すると、
名前:ガイル・フォン・アイスフロイト 種族:人族
年齢:42歳 Lv.16 Exp.1310/1,310,720
ステータス
HP:1800/1800
MP:5000/5000
STR:500
ATK:600
VIT:800
DEF4700
MAG:1000
INT:1500
RES:1500
DEX:1000
AGI:1000
LUK:80
スキル:発勁・波動弾
称号:拳聖・ノクタス王国王都本部冒険者ギルドギルドマスター兼冒険者ギルドグランドマスター
魔術適性・適性属性:炎・水・風・土
と出てきて、やっぱり、と思っていると、
「冒険者ギルドグランドマスターの名において許可する。なお、ギルドカードは王城から戻ってくるまでに作成しておくので、先に王城に行かれたし。」
と宣言して、騎士団長さんが、
「じゃぁ、行こうか。」
と言って、踵を返して冒険者ギルドを後にし、馬車に乗って王城へ向かった。
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