須賀君と森川さんは負けず嫌い!

新米真水

第1話

今日は金曜日!

私は学校が終わるとすぐに公園にむかって走った。

公園の奥にあるベンチに一人の男の子が座っている。

「須賀君!今日もはやいね!」

と私は須賀君に声をかける。

「うん」

と須賀君は不適な笑みを浮かべ読んでいた本を閉じ、少女漫画をだした。

私と須賀君は金曜日に公園の奥にあるベンチに座って少女漫画の話をしている。

なんで金曜日で公園の奥かというとお互い時間が合うのがこの曜日であり、公園の奥だと人が少ないからである。

「でここのシーンのこれがさー」

と須賀君は目がキラキラしながら少女漫画の話をしている。

うぅー、須賀君すごく可愛い。

須賀君は普段の学校の時とかは、かっこいいって感じだけどこういう少女漫画の話をするときは子供みたいな感じですごく可愛い。うん、可愛いね。(本日3回目)

「森川さん?大丈夫?」

はっ!

私は須賀君のおかげで現実に戻ってこれた。

「全然大丈夫!少しボーットしてた。ごめん!」

須賀君が可愛いから全然大丈夫じゃないよ!

って口から漏れる所だった。

危ない。

「そっか、大丈夫なら良かったけど」

須賀君優しい!

と思っていたら会話が止まってしまった。

気まずい空気が流れた。

や、やばい!

私のせいだ。

私は目がぐるぐるになりながら何かないかと思考し須賀君が手に持っていた少女漫画に指を指し

「こ、このシーン再現してみない?」

と言った。

ちなみに私が指したシーンはヒロインが男の子にこちょこちょするシーンである。

って私何をやっているんだー!

絶対おかしい人だと思われたと私が頭を抱えていると

「面白そうだね」

と須賀君が言ってくれた。

よ、良かった。

ひかれてなかった。

私が安堵していると

「じゃあ、はい」

と須賀君は両手を上に広げた。

と私が思っていると

「再現するんでしょ?」

と須賀君が言った。

あっ!なるほど!

私は納得し須賀君にむかってこちょこちょをしようとし、須賀君のお腹にむかう手を途中で止めた。なんかスゴく恥ずかしくなってしまった。

そんな私を見て須賀君は

「あれ?出来ないの?」

と挑発するように言った。

な、なぬ!

さっきまであんなに可愛いかったのに!

むくぅーー!

こうなったらこちょこちょで懲らしめてやる!

私は勢いよく須賀君のお腹にこちょこちょをした。

フフッ、須賀君どんな顔してるかなって思い、お腹に向けていた視線を顔に向けると涼しい顔をした須賀君がいた。

「な、なんで?」

と私が思わず言うと須賀君は

「俺こちょこちょ効かないよ」

と言った。

な、なにー!

そんな人間いるもんかっ!

と私は須賀君のお腹以外の部分をこちょこちょしようとし、距離を近づけたら

「ちょ、森川さん!」

と須賀君はものすごく動揺していて、私はそれが楽しくて須賀君可愛いなと思い更に近づき、私の腕を須賀君の体に巻きつけ

「ふふん、どう須賀君?」

と私は自慢げに言うと

「どうじゃないよ!ほぼ抱きついてるよ!」

と須賀君は真っ赤な顔で言った。

私はその言葉を聞き顔がぼわーっと須賀君より赤くなり、須賀君からすぐ離れた。

「……す、須賀君、…ご、ごめんなさい…」

私は俯きながら言った。

「全然……大丈夫……です」

と須賀君も俯きながら言った。

そこからシーンとした時間が流れ私は耐えかねて

「え、えっと、私、須賀君に迷惑をかけちゃったし今日は帰るね!また金曜日に!」

と私は立ち上がり去って行こうとすると

「ま、待って!」

と私の右手を須賀君が掴んだ。

「そ……その…迷惑じゃない…」

とか細い声で言った。

私がキョトンとしていると

「お、俺、森川さんのことが好きだ!」

と真っ赤な顔で言った。

ほう、すき。

すき、すき、すき、、、すきやき………

「す、好きぃぃぃぃぃぃ?!!!」

私が動揺しながら顔が真っ赤な状態で言うと

「つ、付き合ってほしい…ぃ…ダ、ダメですか?」

と私の目を須賀君の目が捉えた。

私は嬉しすぎて頭が上手く回らず体が硬直していると須賀君は掴んでいた右手をはなし

「ご、ごめん。変なこと言った。先帰るね。」

と去って行こうとした。

そんな須賀君を見て私は

「ぜ、全然ダメじゃない!須賀君が私を好きって言ってくれたように私も須賀君のことが好き。つ、付き合って下さい。」

と私が大きな声で言った。

須賀君は目を見開いて

「よ、よかったぁぁぁ。振られたかと思った。」

とすごく安堵していた。

私は思わず

「私が須賀君をふるなんてことは絶対無いから!というか須賀君が私を好きって思ってる感情よりも私が須賀君を好きって思ってる感情の方が大きいから!」

と私が自信満々に告げると

「いや、俺の方が絶対大きい!」

と須賀君は言い、そこからお互いに熱弁し、すっかり夜になっていた。

「俺達何してるんだろう……」

「た、たしかに……」

私と須賀君はお互い顔を合わせ思わず吹き出した。

とてもゆっくりな時間が流れ須賀君は私の目を見て言った。

「森川さん、これからもよろしく」

「うん!よろしく!」

そっか、私須賀君と付き合ったのか!

うへへ、えへへ

と私がニマニマしていると

「森川さん可愛ね」

とこっちを見ながら微笑んでいる須賀君がいた。

見られた!

と思うよりも先に須賀君は私に抱きついていた。

「さっきのお返しー」

と須賀君は私をぎゅっとし、悪戯っ子な笑みを浮かべた。

な、なにをー!

さっきはあんなにテンパって可愛いかったのに!!!

こ、こうなったら!

私はお返しに須賀君の唇に私の唇をつけた。

「さ、さっきのお返しー」

私は須賀君と同じように顔が真っ赤になりながら言った。

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