第18話 トヨタに追い風になるか?
トヨタ自動車の豊田章夫会長が自社メディアのトヨタイムズで「私は来年取締役としてはいられなくなる」と語った。トヨタの不適切事案は「法規要件より厳しい」と言われており、国交省の基準と審査の遅れが問題視されている。ただし、法令遵守から従わなければお役所は、威張れないから締め付けるの図式が見えてくる。
この怠りを殊更大きくして騒ぎ、会長を追いやろうとしている。でも、その実態は、米国の投資機関からの横槍だ。世界がEVシフトに移行する中、トヨタだけが従わず、多様なエネルギーを模索している。それが気に入らない。世界の自動車メーカーは技術的にハイブリッドなど真似できない。ましてや新エネルギーなど夢のまた夢。ならば、トヨタを潰してしまえ、と株を買いまくり、物言う株主として乗り込んできた。そのEVシフトに拭えない暗雲が立ち込めてきた。世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱で、需要に見合うだけのEVを生産できなかった。テスラでさえ、生産台数が販売台数を上回る事態だ。完全なEVシフトを拒んできたトヨタを悪者企業として急先鋒で叩いてきた米ニューヨーク・タイムズ紙が、ハイブリッド車を再評価する論調へと立場を変えた。その裏では中国の電気自動車があった。製品資源と補助金を投入し、安価で販売。
欧州ではガソリン車を作るより、EV車の方が二酸化炭素排出量が1.7倍になり、温暖化阻止に逆行していることやインフラ整備の問題、何より、自国の自動車メーカーがトヨタを負かす夢を抱いたが、安価な中国車にコテンパンに打ちのめされ、ついにはギブアップで禁止だ、禁止と騒ぐお粗末さ。欧州のガソリン車禁止の撤回に続き米国も熱が冷めたように厄介者扱いに。
ベンツ、フォルクスワーゲンもEV車から撤退の意向を示し始めた。世界の名立たる自動車メーカーがトヨタに救いの手を願い出る始末に。トヨタは中国のように独り占めなどしない。互いにしのぎを削って、協力し合えるところは協力して自動車マーケットの成長を考える。この追い風が、金儲けの亡者の目を覚まさせれば、先見の目と確固たるポリシーが守られる。
衰退真っ逆さまのEVかトヨタの主張かの選択の時を自動車メーカーは迎えている。
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