第28話 掲示板【空海陸を語るスレ】

【震えろ】空海陸について語るスレ#0001【これが深淵だ】🔒


0001:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 みんな、これを見てどう思う?

 正直な感想が欲しい



0002:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 想定以上以外の何もんでもないな



0003:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 新人の能力チェック?

 どう見ても九頭竜プロを超えてると思うけど


 アーカイブ見てるけど、こんなバケモンに出会って即テイムは常識を疑う

 聞いた話によれば、自力討伐でもしない限りテイムは不可能なんだっけ?


 それを即テイムは、過去にどんな修羅場潜ってきたんだっていう



0004:子夜琢磨【Cランク探索者】

 これが俺と同じテイマー?

 冗談も大概にしておけ、としか


 ただ、こう言う進化でもしなきゃテイムモンスターを連れていけない場所ではあるよなって気もする

 望んでそう言う方面に進化したわけでもないんだろうなってのが実情だろう

 とはいえ、こんなのをテイマーの本質と一緒にされるのはたまったものではないな



0005:釜谷慎二【Sランク探索者】

 いやー、面白いなあいつ!

 俺のクランに出張させてやってもいいぞ?



0006:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 は?

 しね



0007:釜谷慎二【Sランク探索者】

 おまえがしね

 

 漢字のしねがNGになってやがる!

 性格わるいぞ九頭竜ーー!



0008:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 お前みたいなやつからでも率直な感想が欲しいから

 キックしないでやってるんだぞ?

 まず先に感謝しろ

 お前の実力だけは認めてるからな


 それと貸し借りは無しだ

 陸君がまずお前の提案に乗るとも思わんことだ



0009:子夜琢磨【Cランク探索者】

 つまり俺は同じテイマー枠としてのお呼ばれか

 


0010:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 そう言うことだ

 我々は専門ジョブほどの知識の蓄えがないからな

 能力的に異端でも、法則的にはモンスターをテイムして操って見せると言う枠組みは同じ

 その上での相違点を聞かせてほしくて呼んだ



0011:子夜琢磨【Cランク探索者】

 豪華な顔ぶれで俺だけどうして?

 と思ったが納得が行った


 だが前提条件があまりにもかけ離れているからあまり参考にならないと思うぞ?



0012:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 俺もいるぞ

 顔見知り、保護者同盟枠だ

 ランクの上下でここに呼ばれるわけじゃないから

 気をしっかり持ってくれ

 あの坊主はちょっと常識がないところがあるんだが

 俺もテイマーじゃないからよく知らなくてな



0013:子夜琢磨【Cランク探索者】

 そう言う枠があると聞いて安心した


 まず第一に、彼のテイムは本来の我々テイマーのものとは大きくかけ離れているものだ


 基本には一人に一匹の状態からスタート

 俺はその時選んだ相棒とずっと一緒に行動している。


 テイマーというのは本来、モンスターにも心があって、それを理解する

 そういうジョブだ


 しかし彼の場合は取り捨て選択

 モンスター合成というとんでもスキルで存在を軽く見ていることがある

 嘆かわしいことだ



0014:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 そういう私情はどうでもいいから

 あんなマネは普通のテイマーにはできないと?



0015:子夜琢磨【Cランク探索者】

 ああ、まぁそうだな

 できるかできないかで聞かれたら


 できなくもないが、相当に情緒を試される修羅場を乗り越えてないと無理だ

 可愛がってたペットとそれこそ何回もお別れするくらいの覚悟が必要になる


 テイムとは、家族を作る

 そういうことだと思ってるからな


 熟練度が上がれば捕獲枠は増えるが、俺でも3つだ



0016:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 なるほど、確かにな

 陸くんはいま4つの枠があることを動画で教えてくれた

 今はそれで十分だとでもいうことだな


 しかしネットの海は広いものでな

 彼が当時20もの枠を用いてダンジョンを攻略していたという方法を聞いてもいる

 


0017:不動務【Sランク探索者】

 ワシもテイマーじゃが、20枠は流石に頭がおかしいのう

 多くても5

 これで打ち止めじゃな



0018:釜谷慎二【Sランク探索者】

 げ、珍しい名前があるぜ

 あんた、オーストリアに派遣されてたんじゃ



0019:不動務【Sランク探索者】

 技術の進歩とは末恐ろしきものよの

 こんなジジイでも現地から直接書き込めるようになっておるものでな

 

 しかし、ワシの知ってる情報はそこの子夜君とそう変わらん

 知ってるのはそこからさらに熟練度を上げただけの状態くらいじゃ

 テイム枠の限界は5


 ワシはペット愛好家でもなんでもないから子夜君の気持ちはわからんのじゃ

 そういう意味では空海君側の存在じゃな

 モンスターはモンスター、それ以上でもそれ以下でもないワイ

 特に身内をモンスターに殺されていたらな


 なおさらじゃ



0020:蓬莱美割【Sランク探索者】

 おじいちゃん、お偉方が呼んでたわ

 ここは私に任せて先に行きなさい



0021:不動務【Sランク探索者】

 やぁやぁ美割ちゃん

 ワシは今仕事を終えて休憩中じゃ

 

 オンとオフは切り替えて動かねばならぬ

 英気を養う時間は欲しいもんじゃな

 

 それで、そのお偉方はなんと?



0022:蓬莱美割【Sランク探索者】

 アダマンタイマイが出たから対処よろしくーだって

 おじいちゃんのテイムが火を吹くところよ?



0023:不動務【Sランク探索者】

 全く、ジジイばかり働かせおって

 しかし因縁の相手でもある


 今回ワシが呼ばれた原因はこいつじゃしな

 ウォーミングアップは済ませた

 いっちょアダマンタイト掘りでもしてこようかの



0025:釜谷慎二【Sランク探索者】

 掘れたら連絡くれ!

 買いに行く



0026:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 そこは早い者勝ちでしょ

 常識的に考えて



0027:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 JAPANランク上位の爺さんですら頭おかしいって判断する

 空海陸って何者なんだ?



0028:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 頭おかしいまでは言ってないと思うわよ?(言ってた)

 テイマーも人によってさまざまってだけね


 陸君は枠が多いだけで、一切テイムモンスターのサポートができないみたいなのよ

 本人からそう聞いたわ


 その分、合成をすることで強化しているのね

 


0029:レニー・バイオレット【Sランク探索者】

 あれは何かのトリックじゃないの?



0030:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 トリックだったらよかったわね

 モンスター合成に関しては私も実際に見てるのよね



0031:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 そろそろ始まる頃だな



0032:レニー・バイオレット【Sランク探索者】

 お手並み拝見ね



0033:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 お、今回は真っ当に探索するみたいだな



0034:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 その言い方だと以前は真っ当に探索してなかったみたいじゃないか



0035:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 してなかったみたい、じゃなくてしてなかったわね



0036:ジョン・カーター【Sランク探索者】

 あれが普通の探索かどうか、我々にはわからないのだが

 九頭竜プロはどう見る



0037:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 さっきも言った通り、陸君に私たちの常識を当てはめちゃだめよ?



0038:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 あいつは人の目があると遊びを取り入れてくるからな



0039:子夜琢磨【Cランク探索者】

 気のせいかな?

 任意でモンスターを沸かせたように思うが?


 壇日にスライム類モンスターは存在していないんじゃなかったか?



0040:蓬莱美割【Sランク探索者】

 してないわよ

 あそこは基本虫型モンスター、有翼種、獣の三すくみだから



0041:子夜琢磨【Cランク探索者】

 だよなぁ?

 じゃあ、あのスライムはどこから湧いてきたんだ?



0042:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 これはあえて言ってなかったんだけど

 彼、自分の魔力を代償にしてモンスターを生み出せるらしいわ



0043:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 は?



0044:子夜琢磨【Cランク探索者】

 は?



0045:釜谷慎二【Sランク探索者】

 は?



0046:蓬莱美割【Sランク探索者】

 は?



0047:不動務【Sランク探索者】

 ほう



0048:レニー・バイオレット【Sランク探索者】

 what's?は?



0049:ジョン・カーター【Sランク探索者】

 crazyイカれてやがるぜ



0050:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 まぁ、普通はそういう反応になるよな

 俺も聞いた話だが、あいつは廃棄ダンジョンで妹さんを元気づけるために風変わりなスライムを使役して、それで撮影ごっこをしてるんだ


 見た目が可愛いってだけでスライムを選択してるやつだ

 なんでも生み出せる、といえば語弊があるが


 本人曰く魔力にも限界があるから全部は無理だと


 なお、その魔力で生み出したモンスタからの経験値やドロップは皆無らしい



0051:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 そんな上手い話はないということね


 でも、考え方を変えれば、彼は最高のコーチになると思うの

 まだみうちゃんが病気してるから看病に忙しいけど

 退院したら彼は方々から引く手数多になると予感してるわ



0052:子夜琢磨【Cランク探索者】

 そうだな、自在にモンスターを生み出せ、それを操れるとなったら

 演習にはうってつけだ

 探索学校側からオファーが来るんじゃないか?



0053:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 ああいう学園ってテイマーを下に見ることが多いじゃない?

 だから先に確保したのよね



0054:不動務【Sランク探索者】

 お前さんにしては過保護だと思っていたが

 そういう仕掛けならわからんでもない


 いつどこで人類の敵になるかわからん危うさがあるからな



0055:釜谷慎二【Sランク探索者】

 言ってる側からテイム連発

 合成先もありゃ相当に熟知してやがるぜ



0056:子夜琢磨【Cランク探索者】

 ふむ、そういうことか

 彼にとってのテイムは己の魔力を切り離して使役する技術

 モンスターはその媒介でしかないと


 それは確かに考え方が違っても仕方ないな

 ジョブこそテイマーとしているが、本質はもっと違う何かではないのか?


 俺からはこれしかいえん

 不動プロの見解を聞いてみたいところだ



0057:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 いやいやいや、まって、それはおかしい


『スライムを団子に合成してやれば、こうやって蛇腹剣にもなりまーす』


 じゃないんだわ



0058:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 この程度で驚いてたら、これから先見てられないわよ?

 彼、平気で自分を囮にして進むもの

 全部テイムできる体で、相手から攻撃させるのよ



0059:名久井五郎【Aランク探索者】

 ずっと不思議だと思ってた

 彼は路地裏に入ってからどのように配達用の自転車でビルの屋上にまで辿り着いたか

 ずっと謎だった

 けどそうだな、もしこれが可能ならとても現実的な話になってくる



0060:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 名久井プロ、一体なんの話してるんだ?



0061:名久井五郎【Aランク探索者】

 何って?

 空海君がダンジョンの外でも当たり前のようにスキルを使えるという考察だが?



0062:子夜琢磨【Cランク探索者】

 何を言ってるんだ?

 テイマーなんだからテイムモンスターを維持したまま外に出れるに決まってるじゃないか



0063:名久井五郎【Aランク探索者】

 そうだな

 だが彼の場合、テイムはしていない、討伐したモンスターを生み出す能力だ

 もし表でモンスターを出現させる能力が可能だとしたら

 世間の見る目が変わってくるぞ



0064:ジョン・カーター【Sランク探索者】

 世界中の探索者からオファーがかかるな

 練習台にちょうどいいって



0065:名久井五郎【Aランク探索者】

 果たして練習台程度で済むんだろうか?

 経験値やドロップまでものにできるとしたら



0066:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 悪いが、坊主の作ったモンスターは経験値もドロップも0だぞ



0067:名久井五郎【Aランク探索者】

 そ、そうなのか

 流石にそこまでおいしくはないか

 悪かった、話の流れを切ってしまって



0068:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 初見の人は確かにそう考えても仕方ないわね

 それで一度学園側と揉めたって聞くわ

 有能すぎるのもまた厄介ごとの種でしかないという話ね



0069:名久井五郎【Aランク探索者】

 それゆえに、惜しい

 


0070:ジョン・カーター【Sランク探索者】

 あんたにどんな事情があるかわからないが

 今はこの攻略を楽しもう

 自分では想像もできないモンスターの討伐速度だ



0071:レニー・バイオレット【Sランク探索者】

 そうね、見てて面白いわ

 真似できるかって言われたら微妙だけど



0072:蓬莱美割【Sランク探索者】

 九頭竜プロが目をかけるだけあるわね



0073:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 でしょう?

 まぁきっかけは陸君だったけど

 今はみうちゃんも含めて推してるわ


 陸君が可愛がるのも無理ないくらいに健気なの

 おかげで姉さんも目を覚ましたしね

 陸君には感謝してもし足りないわ



0074:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 お姉さん?

 もしかして『シーサウザンド千海の理衣』が復活したのか?



0075:名久井五郎【Aランク探索者】

 そうか、ついに姉妹揃い踏みか

 胸が熱くなるな



0076:レニー・バイオレット【Sランク探索者】

 これは世界ランクが荒れるわよー



0078:ジョン・カーター【Sランク探索者】

 俺にはあの物体を相手に果敢にテイムを仕掛けている姿に痺れるけどね



0079:ショゴス

 こんにちわ



0080:熊谷勇【赤無ダンジョン受付】

 おう、今日は大人しくしてけよ?


 SAN値チェック:成功

 アイディアロール:失敗

 正気度−2【正気度79→77】



0081:九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 あらいらっしゃい♡

 可愛いわねー

 

 SAN値チェック:失敗

 アイディアロール:成功

 正気度−8【正気度76→68】



0082:鶯谷義輝【Aランク探索者】

 キェァアアアアアア、しゃべったぁアアアアア!


 SAN値チェック:失敗

 アイディアロール:成功

 正気度−10【正気度80→70】



 最初こそ和気藹々としていた魔石回収配信視聴者たち。

 しかしショゴスの登場により一気にコメント欄は不定の狂気の嵐が渦巻いた。


 深淵入り口から現れる神話生物たちは、時にコミカルにコメント欄に現れてはリスナーにSAN値チェックを強いてくる。



0298:ウィルバー・ウェイトリー

 お兄ちゃん、見つけた!



0299::九頭竜瑠璃【Sランク探索者】

 誰かしら?

 あ……

 

 SAN値チェック:失敗

 アイディアロール:成功

 正気度−20【正気度68→48】



あぁ、あああああああああ!



 かろうじて生き残ったリスナーも、最後のウィルバー・ウェイトリー出現で不定の狂気に陥り、数日うなされたという。

 深淵は至るのも生き残るのも、なんなら生きて帰ることも難しい。

 そんな場所なのは確かだろう。

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