怪盗シャドウ! 〜イチから始める怪盗業〜
迷M _りみ
第1章 イチから怪盗やってみます!
プロローグ
ここは、朝枝県朝枝市にある、朝枝中学校。
季節は春。4月16日。
今は、3時間目の後の休み時間。
私・月野影(つきの かげ)は、教室でクラスメイトの男子と揉めていた。
「怪盗?なれるか、お前が」
「はあ?バカにしてるの?」
最近は、クラスメイトに「怪盗」になりたいという自分の将来の夢をバカにされることが多くなって来て、よく友達関係で悩んでいる。
「やめてよ、2人とも」
私と仲がいいクラスメイト・旭田真知子(あさひだ まちこ)が言った。
「私の憧れをバカにするやつなんて、許さない!」
私は言った。
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「はあ。またやっちゃった・・・」
4時間目後の休み時間。私が教室にある自分の席でため息をついていると、隣の席に座っている真知子が話しかけて来た。
「影ちゃん。最近、朝枝県で有名な悪党知ってる?」
「えっ、えっ?悪党?」
「影ちゃん、知らないの?悪のサファイアコレクター集団『ダークスター』を!最近、『ダークスター』のリーダーのブルーライトが、斎藤宝石店からサファイア『流星の夜』を盗んだってニュース!」
真知子は相変わらず犯罪者が嫌いみたい。真知子の両親が警察官だから、その影響を受けてるのかも。
「ええ!?あの『流星の夜』が盗まれた⁉︎」
私は驚いた。サファイア「流星の夜」は貴重な宝石で、それが盗まれたのは大事件!
「ブルーライトたち、この前も別のサファイアを盗んでるの。許せない」
真知子は悲しそうな表情をしている。
・・・。今が、怪盗になるチャンスかも。怪盗として、ブルーライトたちからサファイアを取り返さなきゃ!
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帰りの会が終わり、みんなが帰り始めた。
「またね、影ちゃん」
「ばいばい、真知子」
いつも真知子と幼馴染の男子・佐藤輝(さとう あきら)と3人で帰ってるけど、今日は真知子、他の友達と帰るみたい。
私はリュックを背負うと、廊下に行った。
「影!一緒に帰ろうぜ」
「いいよ」
輝に話しかけられ、私は返事をした。
「ねえ輝、真知子が言ってたんだけど、悪のサファイアコレクター集団『ダークスター』が貴重なサファイアを盗んだってニュース知ってる?」
私は階段を降りながら輝に言った。
「もちろん知ってるさ!サファイア『流星の夜』と『星と夜』が盗まれたってやつだろ?」
「私、ひどいと思うんだよね、ブルーライトたちのこと。だから、取り返したい。サファイアを」
「え?取り返すって、どうやって?」
輝は不思議そうに言った。
「輝、忘れたの?私の憧れ」
「怪盗・・・、だったよな。・・・・、何だって!?」
輝は大声を出した。
「そんなに大きな声で言わないでよ!またバカにされるんだから」
「ごめんごめん。お前の将来の夢、怪盗だったよな」
「うん。怪盗になりたい。ブルーライトからサファイアを取り返したい!」
「分かった。じゃあ、オレは何をすればいい?」
「うーん?そうだ!取り返すための計画を一緒に立てよう!」
「で、いつやるんだ?計画を立てるのは」
輝に聞かれて、私は少し悩んだ。
「今日がいい!今日やろう、輝の家で!」
「今日?いいぜ、お前の夢、応援してやる!」
「ありがとう。あっ、話してたらもう昇降口に着いちゃった」
「ほんとだ」
私と輝は昇降口で上靴を脱いだ。
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