第7話
はぁ・・・・・
もう何度目になるか分からないため息をついた。
酔っ払いの相手を今までしたことがないから分からないけど、みんなこうなのかな?
「和真さん、こんなところで寝ていたら風邪をひきます。起きてください」
あれからすぐに、テーブルに突っ伏して寝てしまった和真さん。
何度か肩を揺すぶり起こそうと試みたけどびくともしなかった。
仕方がないから寝室から(家のなかは一通り彼に案内してもらった)毛布を引っ張り出してきて、背伸びして彼の背中に掛けた。
和真さんの耳って意外と大きいかも。
好奇心からそぉーと手を伸ばし耳朶に触れてみた。
ひんやり冷たい。それでいて固い。
あれ?耳朶ってこんなに固かったけ?
確認するためもう一度耳朶に触れてみた。そしたら、
「痛い‼」
彼がいきなり大声を上げたから、びっくりして慌てて手を離した。
「ごめんなさい。悪戯するつもりも、起こすつもりはなかったんです」
「俺の方こそごめんな大きい声を出して。俺の耳、普通のひとと違って固いんだ。だから触られると激痛が走るんだ。冬なんかすぐに霜焼けになって我慢出来ないくらい痛くて、酷いんだ。冬生まれなのに、冬が大嫌いなんだ」
「冬、生まれなんですか?」
「あぁ、そうだ。1月8日生まれだ」
「え?嘘?」
驚きすぎて声が裏返った。
「もしかして誕生日が一緒とか・・・冗談じゃなくて、本当なのか?」
正直にうん、と頷くと、今度は彼が驚く番だった。
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