第3話:わたしエルフです。

「私、思うんですけど学校で薬の調合しててそれで大失敗して爆発に巻き込まれて

ここまで飛ばされたんじゃないかって思うんですけどどう思います?」


「そんなこと僕にわかる訳ないでしょ」


「私、これからどうしたらいいでしょう?」


「どうしたらって・・・」


「あの・・・お願いです、ご迷惑とは思いますけど・・よかったら」


待って、待って、待って・・・え?。


「あなたのおうちに・・・」


まさかのまさか?。


「連れてってもらってもらえないでしょうか?」


やっぱりそのパターンか・・・。


「お願い」


うそ〜、そんな可愛い顔でお願いなんかされたら断れないじゃん。

もし断ったら僕ってすごい非人情なやつに成り下がっちゃうだろ。


「あはは、いいよ汚いところだけど僕のアパートでよかったら来てみる?」


「はい、行きます」


「だけどさ・・・家で待ってるお父さんとかお母さんとか兄弟とかどうするの?」


「私ここの世界の住人じゃないって言ったでしょ?」

「向こうの世界に帰れない以上親にも会えないんです」

「あの・・・私のこと分かってます?」


「分かるよ、キミはアンブレラ・ローダンセマムちゃんって名前で、でなんとか

ってところから爆発してここへ飛んできたエルフの格好したコスプレーヤーでしょ?」


「違います・・・とってもおしいですけどコスプレーヤーとかってところは

間違ってます」

「私、エルフです」


「エルフって?エルフ?・・・ファンタジー映画とかに出てくる、あのエルフ?」

「うそだ〜」


「もう、信じてください」


「その耳、よくできてるね〜どこで作ってもらったの?」


「違います・・・これも本物の耳ですぅ」

「って、そのコスプレーヤーってなんですか?」


「え〜・・・コスプレーヤーも知らないでそんな格好してイベント会場に

参加してんの?」


「そんなこと言われても・・・ここがどこかも分からないし・・・」

「そのコスプレーヤーとかも分かんないし・・・」


「コスプレーヤーってのはね漫画とかアニメとかゲームなんかの登場人物やキャラクターに変装?・・扮装する人のことだよ」

そういうジャンルの愛好者やサークルが集まってコミケとかコスプレイベントに

みんな参加してるんだよ・・そういう人たちのことをコスプレイヤーって言うの」


「分かった?なんで今更コスプレについて解説しなきゃいけないんだよ」


「やっぱり分かりません・・・でも私、そのコスプレーヤー?とかってのと

違います」


「でも大丈夫、私は偽物じゃなくて正真正銘本物のエルフですから」


「そんな訳ないじゃん・・・本物のエルフなんているはずないでしょ」

「エルフってそもそもヨーロッパの民間伝承の中のキャラだろ?、歴史だって

違うし・・・海外小説やゲームの中だけの存在だし・・・」

「それでも本物だって言い張る?」


「言い張りますぅ・・・どう言ったら信じてくれるんですか?」


「だいたいさ、君みたいに超絶可愛い子が僕の前に現れること自体ありえない

んだよな」


「だから〜」


「爆発してどこから飛んで来たんでしょ?・・・普通ならそれって死んじゃっ

てるよ」


「とっさに防御魔法使ったからです、だから大丈夫なんですよ」


「だから、お願いですから信じて・・・」


アンブレラは半泣き状態だった。


つづくかも。


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