悲しい、出来事じゃった。
悲しい、出来事じゃった。
じゃなくて!
何でそこを拾ってくるのさ! 一人ボケツッコミの常時発動なんて聞いたことないよ?!
神様、お茶目すぎる。きっと普段からバラエティーを楽しみになさってるに違いない。
だけど。
お陰様で私はヒロインポジ争いから転げ落ちましたよ、ええ。ていうかこんなスキルを持ってるキャラなんて見たことねえわ!
……あ、でももしかして。
私が前の人生で独り言が多かったり一人ボケツッコミが多かったのってこのスキルのせいじゃね?
だってだってさ、いくら一人暮らしでリアル話し相手がいなくて二次元彼ピしかいないからってゲフンゲフンゲフン、嫁入り前のうら若き女子が『デュクシっ!』とかないだろ。ないない。多分ない。
ぼふっ!
レンジ君ありがとう。ていうか絶妙なタイミングで開くのやめてもらえます?! 服が目いっぱい乗っかってんのにキミはどれだけツッコミたかったんだよ。はいはい、先に進みますよ~だ。
『毒攻撃無効』『状態異常半減』……このスキル、メモに書いてない。けど神様めちゃめちゃ徹底してる。これも食あたり防止だよね? 状態異常半減っていうのがよくわからないけど、無効にしちゃうとチートすぎるからかな。
どうなってんの?
私そんなに信用ないのか?
……ある訳ないか。何が『身体がハンバーグを求めてゾワゾワしてる』だよ、デュクシっ! もういいや、レンジ君のこと書いてないかな。
” 本人の希望により、電子レンジなるものを付与する。なお、岡島未来の愛情を受けた彼の者が付喪神と化した事により、取り込んだ食材、食事を浄化し活性化させる効能を持つに至る。なお…… ”
お、おおお、
オマイって奴あああぁ!
……冗談抜きで本当に泣ける。
これ、私の為だ。
私が君に何をしてあげたっていうの? 何もしてあげれなかったじゃん。それでも君は異世界でも私を助けてくれるの? もー! 頬ずりしちゃう!
「レンジ君ありがとね。電気がなくて元気が出ないかもだけど、私は君がいるだけで元気を貰えるよ、貰えたよ。異世界でもよろしくね」
ぱこっ!!
「いやああぁ! ねえちょっとマジで?! 貴様、私をたばかりおったか! やめて、私美味しくないよ! 美味しくないからぁ…………あ」
ぱかり。
「あ、開いた……。食われるかと思った……ちょっと、もう!」
しーん。
「喋ったりはできないのかな。でも何かもう怖くなくなっちゃったな、あんな手紙見せられたらさ……あ、やば。手紙が涙で滲んで、る?」
異世界お手紙、まさかの市販品疑惑。
嘘でしょ?!
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