第34話 大森林探索と魔法使い
【俺が調味料を探しに大森林の村に行く実況スレ】
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名無しのスレ主〈ついに大森林に足を踏み入れた俺達〉
(首から下の記念写真貼付け)
名無しの貴族〈ウホッ、これはいい太もも〉
名無しの令嬢〈これはなかなか……〉
名無しスレ主〈誰の太ももに注目してるのか分かってしまった〉
名無しの令嬢〈顔が見たいわ! 騎士の顔を見せてちょうだい!〉
名無しのスレ主〈それはあきらめてください〉
名無しの令嬢〈残念ですわ〉
名無しの貴族〈探索パーティーに女の子が二人いるぞ!〉
名無しの令嬢〈女が二人いる……〉
名無しのスレ主〈女性は魔法使いと巫女さんです〉
魔法使いのマーヤさんと巫女のレリアさんだ。
名無しの貴族〈ちゃんと回復役いてよかった〉
◆ ◆ ◆
「さあ、書き込み終わったなら行くよ、ネオ」
魔道具を使っての書き込みに夢中になる俺に声をかけてくれるユージーン。
「はーい」
「まずは地図にある水場を目指します」
ニコレット様の騎士の手には地図があり、先導してくれてるから鴨の雛のように後ろをついて行く俺達。
途中、雉などの魔物の鳥を見つけて騎士達が華麗に仕留めた。
これは食べられるらしい。
足を縛って吊るすようにして、魔法の収納袋に入れる騎士達。
やはり旅の必需品として魔法の収納はわりと持ってる人が多いようでよかった。
ちなみにこの魔法の収納グッズは中で時が止まるのでナマモノでも腐らない。
大森林の中は獣道やら少し開けた場所やら色々ある。
一曲分ではあったが、祈祷のゴスペルのおかげか、まだ危険な魔物には遭遇してない。
この効果がいつまで続くかは不明だが。
滝のような音が近くなってきたと思ったところで
ふと、足元に見たことのある緑の植物が目に入った。
手袋越しだから大丈夫だろうと、思わず少し手に取る俺。
「あれ? これニラじゃないか? 水仙だと毒だけど……うん、これはニラの香り」
「うん、これは確かにニラだねぇ」
ユージーンもニラを見て確かめてくれた。
「お昼にニラ玉でも作るか」
何気に俺が呟くと、
「では、滝が見えたら休憩にしましょうか」
きつそうな女性陣を見て、ニコレット様の家の騎士が休憩を提案してくれた。
太ももがセクシーなこの騎士の名前はソルさんだそうだ。
レベッカ様の家の騎士がサウロさん、エマ様の家の騎士がケネスさんだ。
そしてしばらくあるくと滝が見えた!
「あ! 滝の根元に虹まで出てる! 映える!」
「ネオ、興奮しすぎ! 足元気をつけて」
自分の足元を見ると岩場が濡れていて、滑りそうだった。
「おっと、ありがとうユージーン」
「ほんとだ、虹が綺麗ですねー」
「おお……見事な滝と虹ですな」
「男性達も顔と手を洗いましょう!」
「は~い、洗います!」
それぞれ感嘆の声を漏らしたり、冷静に忠告してくれたり、バランスのいいパーティーだと思う。
俺は手と顔を洗った後に写真撮影をして、その写真もスレにアップした。
レディ達にこまめに連絡すると伝えていたからな!
◆◆◆
名無しの令嬢〈まあ、綺麗な虹〉
名無しの令息〈滝だ〉
名無しのスレ主〈ここで食事休憩を取ります〉
◆◆◆
滝の側の開けた場所で俺達は休憩をとることにし、俺は川でさっき採取したニラを洗った。
俺が採取したニラと卵を料理すると聞くと魔法使いのマーヤさんが土魔法であっと言う間に簡易ではあるが、四角いカマドを作ってくれた!
「すごい! マーヤさん、天才!」
「流石王弟殿下、ちゃんと能力の高い人を選んでくださっていたんだね」
俺達がカマドを褒めちぎるとマーヤさんもまんざらでもなさそうな顔をした。
「ちなみにニラ玉以外にクレープも作ります、って、あ、男性もいるし、肉も……ウインナーを焼くかな、ニラ玉に混ぜるか」
「鳥もありますよ、使いますか?」
ソルさんが声をかけてくれた。
「ソル卿、ありがとうございます。それは夜にお願いします」
「承知しました」
そんな会話をしつつも魔法の布からフライパンやフラットな丸い鉄板、調味料なんかも出していく。
「ニラの方は僕がやるよ、ネオはそっちの鉄板料理を」
「お、そうか、ユージーンありがとう。じゃあこの卵と炒めてくれ」
「はい」
「何か手伝いましょうか?」
「騎士様達は周囲の警戒してくれるだけで大丈夫です」
「わかりました」
男性騎士達は周囲の警戒をして、俺とユージーンが料理。
そして女性2人はテーブルをセッティングしたりしてくれて、やがて料理が完成した。
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