第2話 僕の特異な性格

【前書き】

 一話を改めて読んでみたのですが、書くという行為があまりに久しぶりすぎて、なんか文体めちゃくちゃでしたね。読みづらかったらすみません。

 というわけ本文へ。


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 2022年12月18日。この日に僕は遅発性ジスキネジアを発症したわけですが、どうしてこのようなことになってしまったのか。闘病について綴る前に、先に僕の性格について説明しておきます。発症した原因は僕にもあるんです。


 僕の性格なのですが、とにかくミスをするのが嫌いなんです。いや、嫌いとかそんな範疇では収まらないですね。はっきり言って異常。発症したのときの会社でもそうだったのですが、ひとつ、たったひとつのミスをするだけで|ルビを入力…《はらわた》が煮えくり返るんです。もちろん自分に対して。たったひとつですよ? 30秒くらいあれば直せる単純なミスなのに、自分に対して過剰に責める。責めまくる。これはどの職場に行ってもそうでした。仕事が終わったら喫茶店に直行、そしてそこで一人反省会を開始して、どうしてミスを起こしたのか考え、二度と同じミスを侵さないために対策をノートに書きなぐり、翌日は通勤途中の電車内でノートを読み返す。これが毎日のルーティンワークになっていました。


 どうして僕がそんな性格になってしまったのか、原因ははっきりしています。我が家は非常に貧しく、大学に行くための費用がありませんでした。まあそれは仕方がないというか当たり前というか。だって親父は仕事をせず、ずっと朝からお酒を飲みながら小説を書く毎日でしたから。だから僕も高校時代は朝から晩までアルバイトをして家計を助けていました。まあ、結局両親は離婚したわけですけど。


 なので僕は新聞奨学生というものを利用して大学に進学しました。これが大失敗だったんです。ミスを嫌う僕の性格はここで形成されました。


 新聞奨学生って結構大変なんですよ。深夜1時くらいに起床して、朝刊の配達。昼の15時くらいになったら夕刊の配達。あとは集金業務。その他にも新しい契約を取りに色々な家を訪問して勧誘業務。その他にも色々あるのですが、長くなるので割愛させていただきますね。


 まあ、そんな感じです。僕の場合、大学の講義を受けるだけではなくて自主制作映画を作る部活にも入っていたからほとんど寝る時間はなかったですね。休講やらがあったら部室に行って寝たりしてなんとかしていましたけど。


 ……自分で書いていて思ったけど、よく体力持ったな。


 でも新聞奨学生って学費を出してくれるだけではなく、ちゃんとお給料ももらえるんです。確か13万円くらいだったかな。だから僕はそれを楽しみにしていました。楽しみにして、楽しみにして、新人の中では割と頑張ってました。他の人達は耐えきれなくてどんどん辞めていきましたから。


 ちょっと話がズレてしまいましたね、すみません。


 そして楽しみにしていたお給料日がやってきたわけです。朝刊配り終えてからだったかな、ウキウキしながら所長の所に行ってお給料袋をもらいにいきました。何に使おうかなあ、とか美味しいもの食べたいなあとか、そんな楽しいことを考えながら。


 それで僕は受け取ったお給料袋を持って自分の部屋に戻ろうとしたわけですが、この時点で嫌な予感は感じていました。なんか薄っぺらいんですよ。13万円ってこんなに薄っぺらいはずないんだけどなあ、と。そんなことを考えながら、部屋に戻ってとりあえず袋を開封しました。そして嫌な予感、的中。


 お給料袋に入っていた額、2万円とちょっと。


「は?」って声が出てしまいましたね、何かの間違えじゃないのかって。でも何度も何度も数えても2万円ちょっとなんですよ、当たり前ですけど。で、その中に明細が入っていまして、そこに書かれてた内訳を見て愕然としました。


『罰金 −10万円』


 上に記載されていた額は正確ではないです、さすがに昔のことなので細かい金額は覚えていなくて。でもまあそれくらい。だけど初耳だったんです、罰金という制度があるだなんてこと。雇用契約を結ぶときも聞いてませんでしたから。


 ダッシュで所長の所に行きました、一体どうなってるんだと。そしたら所長は僕がミスやらをした内容などが事細かに書かれた用紙を差し出してきまして。誤配というのですが、間違えて配るべきお宅ではなくお隣さんのドアポストなどに間違えて入れたりすることや、そもそも配り忘れること。それを誤配といいます。


 その他に書かれていたのは勧誘で取ってきた契約の少なさだったり、全てを配り終えた時間が遅かったことだったり、あとはetc.etc.。それらを、つまり僕のミスを全部合わせると罰金が約10万円くらいになったみたいで。


 とにかくショックでした。確かにミスは多かった。入社したばかりだったら右も左も分かりませんでしたから。だから僕も悪いと言えば悪い。それにしてもこの罰金の額は異常だろうと、所長に食らいついたのですが、彼は某右翼団体のボスだったのでまあ怖いこと怖いこと。「お前がミスしたんだから当たり前だろうが!」と一喝され、すごすごと退散するしかなかったんです。当時まだ19歳ですからね、さすがに言い合いには勝てず。半年後には殴り合いしましたけど笑


 全てはこれが原因です。大きな誤解をしてしまった。いや、せざるを得なかった。『社会というものはひとつのミスも許されないんだ』という誤解を。それからというもの、僕はミスを恐れるようになりました。極度に恐れるようになりました。ヒューマンエラーなんてあって当たり前なのに。でも成人もしていない子供の僕はそのように考えてしまった。そして、その考えを新聞奨学生で一年間働くことにより所長によって植え付けられてしまった。


 この間違った誤解、そして認識。早めに矯正しておくべきでした。これは『あくまで僕の』考えです、だから間違っているかもしれません。なので括弧付けにしておきますが、人間の人格や特性を矯正できるのはは二十代半ばまでだと思っています。様々な文献や資料、論文を読んで出した僕なりの答えです。それを僕はしなかった。矯正をしなかった。理由は色々あるのですが、僕には矯正しなければならない人格や特性が多すぎてそこまで手が回らなかったのです。


 二十代半ばをすぎると、その人格や特性は『特異な性格』として定着してしまいます。それがどんなに間違っていたとしても。だから僕は未だにミスを恐れる。性格の根深い所まで侵食されてしまっている。なので正直、もう直らないと思っています。


 ちなみになんですけど、僕は他の方々のミスは全く気にならないですよ。編プロでデスクやってたときも、下の子達がミスをしてしまったとしても一度も怒ったことがないですね。だって当たり前だから。人間なんだから。ミスもしますよ。それに下の子がミスをしても僕がカバーすればいいだけの話なので。


 だけど自分に対してだけは違うんです。だから精神を病みやすいんですよ、毎日毎日自分を責めて、責めて、責めまくるわけですからね。完璧でなければならない、どんなに小さなミスですらしてはならない。許されない。この考え方、といいますか特異な性格は役に立つこともありますがほとんど僕の足を引っ張っています。だからジスキネジアになってしまったのは僕が原因でもあるんです。めちゃくちゃ強い抗うつ剤を処方されることになってしまったから。


 医師を訴えろという人もたくさんいました。でも僕はそんなことをするつもりは毛頭なくて。僕の首がおかしいと訴え続けても気付いてもらえなかったり、処方する薬をどんどん強くしていったり、種類を増やしていったのは確かに主治医のミスかもしれない。でも、ミスは仕方ないですよ。


 だって、お医者さんだって一人の人間なんですから。


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【あとがき】

 長い……目標としては要点を簡潔にまとめて綺麗な文章を書いていきたいんですけど、相当能力が落ちてますね。まあ、リハビリのために焦らずのんびり書いていきますか。ここで無理をしてまたタイピングができなくなってしまったら元も子もないですからね。読みづらかったらどうかご指摘頂きたいです。


 それではまた次話で!

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