ルームサービス
天川裕司
ルームサービス
タイトル:ルームサービス
俺は出張先のホテルでルームサービスを頼んだ。
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
電話でフロントからそう言われ、少し待つことに。
するとルームサービスの係りの人がやってきた。
ドアをこんこんとノックされ、出る俺。
「ルームサービスです。どうぞ」
と優しそうな女の人が、ケータリングした
クロワッサンとコーヒー、そしてあとで飲む用の
マイルドアルコールドリンクを持ってきてくれた。
「や、ありがとう」
そう言ってドアを閉めようとした時、
「え…?」
その女の人は何を思ったか。
いきなり俺の部屋に入ってきて、床に寝転んだ。
その瞬間、その女の人の服が乱れた。
「………あの、ちょっと…」
「何してるんですか?」と問う前にその人は、
床に寝転んだままふわっと言った感じに消えてしまった。
「…………………」
言葉が出ない。
でも本能が「これは心霊現象だ」と心の中で叫び続け、
俺はすぐ荷物をまとめ、そのホテルを出る準備をし始めた。
そしてフロントで事の一部始終を伝えたのだが、
さっき頼んだはずのルームサービスの履歴が無い事、
そんな女の人がこのホテルに居ない事も教えられた。
「……え?」
2度目の大きな疑問と恐怖と不安がやってきたとき、
俺はもうそこに居る理由は無く少しでも早く離れたい
その気持ちが膨らんで、それ以上詮索はせず、
すぐ自宅へ戻った。
そして後日。
改めて聞いたニュースでは、
・そのホテルで以前、ルームサービスをしていた女性が1人殺されていたこと
・その犯人の男がそれから数日後につかまっていたこと
その2つの情報が飛び込んだ。
思えば、男性客の客室に、
女性の係りの人が来るのは少しおかしかったのか?
確かにそういう場所もあるにはあるが、
あのホテルはどうだったのか。
でもそこまで詮索する気はどうでも起きず、事は有耶無耶。
もしかすると俺が今考えている通りのことが
あのホテルで起きていたのかもしれない。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=5QvzPyIn-HE
ルームサービス 天川裕司 @tenkawayuji
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