第5話 外来受診3
2024.6.27
術前説明を受ける日。
麻酔の先生には、はじめてお会いしました。優しくて、冗談をたくさん言うような感じの良い先生で、緊張をほぐして、不安を無くそうとして下さいました。
「僕自身も今までに全身麻酔を3回経験しましたが、自分が麻酔医で、やることをよくわかっているのに、不安でしたからねぇ」
実際の手術を担当するのは、自分より優秀な後輩医師で、
「その日は僕も外来にいるので、何かあっても大丈夫ですよ〜」
(いや、何かあって欲しくないです……先生)
主治医より、模型を見ながら、手術内容の詳細な説明を受けました。
骨を削って、神経への圧迫を徐圧し、腰椎2ヶ所のずれを直して、金属を入れて固定する。傷は5センチくらい。手術時間は4時間。出血量300mLなので、輸血の予定は無し。入院は1週間。
症状の改善率は75〜85%くらい。
入れた金属を将来、抜くことは無く、ずっとそのまま。チタン製なのでMRIは大丈夫とのこと。
(ここまで聞いただけでコワイ……サイボーグ人間になるみたい。泣)
当日は手術中の待機不要で、面会不可。手術が終わったという連絡も希望する人のみ。
父の手術のときには、待合室でひとり、数時間をずっとただ待っていて、術後、病棟に戻って来た父には、ひと言ふた言、声をかけることができただけでした。(父本人はそのことを覚えていないらしい)
家族にできることは、他には何もありません。
体調が悪いときにはひとりでそっとしておいて欲しい私としては、かなり気が楽になりました。弱っている姿を家族に見せなくて済むし。
家族が自宅待機で良いのは、自分にとっても家族にとっても、ありがたかったです。
(実際のところ、術後すぐは自分のことで精一杯で、家族がいたとしても、会話する余裕はありませんでした)
あとは、起こり得る合併症など、お約束のいろいろな怖い話をたくさん。(医師は事前にこの説明をしなくてはならない、とわかっていても、聞いていて不安になるお話だらけですね。コワ〜)
腰椎を固定するので、腰が曲がりにくくなるし、金属を入れた上の部分に負荷がかかるため、今後、気をつけて生活する必要があります。
そして、骨粗鬆症の治療がはじまりました。毎月1回の注射を1年間、そこで治療効果の評価をします。(先が長いゾ……)
賢明な読者様は薄々推察されている通り、私、春渡夏歩は意外と歳がいっております。(できれば年齢不詳というままにしておきたいのですが。笑)
ある程度の年齢を過ぎたら、女性は骨密度をチェックすることを強くオススメ致します。骨折の原因にもなる骨粗鬆症の治療は、早くはじめた方が良いですよ。
次はコルセットを作るための採寸です。
こうして入院、手術に向けて、着々と準備が進んでいくのでした。
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