第3話 外来受診の間

 処方薬は、痛み止め、神経性疼痛に効果があるものと血流改善薬。調剤薬局で、眠くなるので気をつけるように言われました。車の運転、飲酒不可とのこと。


 眠い、眠い、眠い……ひたすら眠い。寝落ちしそう。

 これでは運転はできないだろうと思いました。(しないケド。ペーパードライバーです)

 

 痛みは少し残り、しびれはあまり変わらずで、完全にはおさまらない感じです。

 眠くて、頭が半分くらいしか働いていない気がする。この薬をこうしてずっと飲み続けるのは辛いです。

 そして、薬で痛みを誤魔化しているだけで、根本的な治療にはならず、改善することはない、ただ先送りしているだけという事実が、変わらずに横たわっているのです。


 身体のどこかにずっと痛みがある状態というのは、メンタルがやられます。気持ちがすさむ、イライラ、トゲトゲしてしまう。


 はじめての入院、全身麻酔での手術、術後の痛みなどに不安がないわけではありません。

……でも、そこじゃない。


 退院後の生活。

 長い期間、自由に動けなくなって、行動に制限がかかるということ。

 できることと、できなくなること、頑張ればできるようになること。

 先の見えないことが不安でした。


 私は元来、誰かに助けを求めたりするのが、実はとても苦手です。

(えーい、人に頼むより、自分でやった方が早いし)

 そう考えるタイプです。

 説明してお願いするのが面倒くさいのです。


 そうは言っても、入院中も退院後も、きっとたくさん助けが必要になることでしょう。


 ああ、ヤダなぁ。


 思わずつぶやいて、父が入院、手術する前、同じく言っていたこの言葉の中には、いろいろな気持ちが詰まっていたのだなぁと、今さらながら気がついたのでした。

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