第15話

 また滑った! 氷壁に衝突した?! 見あげれば牙を剝く雪男が毛むくじゃらの腕を振りかざしていた。群青の瞳が潤む。

 僕は背中を押された。

愛鶴めづる,しっかりしろよ!」誠皇晋が覗きこんでいる。

 終日吹雪峠をくだった先にあるパーキングエリアにいるのだと告げられる。そこに設けられた避難所へ運びこまれ手あてを受けていた。

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