第20話
そのほかは、病休のため出勤せず、1日家で過ごしている、その日常生活に関することや、時折、仕事に関することを世間話のように話すくらいだ。それもタクヤから積極的に話題を提供しているのではなく、月島から問われたことをぽつりぽつりと話し、タクヤが返したそのことに、タクヤはどう思っているのか、何を考えたのか、考えているのか。どう思っているのか、気持ちはどうなのか、といったようなことを月島がさりげなく聴き取っていく。そのような面談だった。
カウンセリング中に頭がぼんやりする、などといったことはひと言もタクヤは話していない。
タクヤのその疑心が、表情に出たのだろう。
月島が、
「永良さんは、聡いですね。敏感、感度が高い、と言った方が良いか。」
そう言いながら浮かべる笑顔は、いつものカウンセリング時に浮かべる笑顔と変わらない。柔らかな、微笑だ。
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