【長編】ヤミのマギア～ヤンデレ♂がヤンデレしか登場しない乙女ゲームのヒロイン……の親友キャラ♀に転移した～【ファンタジー/サスペンス】

ゲームの情報

登場人物・専門用語

　※以下、三人称で書かれた「事実」のためネタバレを含みます。

　※23話くらいまで読んだ方が読み返しをする用と想定しています。

●登場人物紹介

【主人公/プレイヤー】

　内藤宗護（ないとう　しゅうご）

　高校2年生の17歳男性。

　ひとりの女性に異常なほど執着し、それ以外はまるでどうでもいいような振る舞いをする。

　その女性に危害を加えることはないが盗聴するなど犯罪行為も自然に行っているようだ。

　彼女が強姦されそうになっているところを助けて殺されかける。

　そして『ヤミのマギア～少女は孤島で溺愛される～』――通称、『ヤミマギ』という乙女ゲームに転移した。

　どこかにあるという『トゥルーエンド』に到達しなければゲームからは出られず、愛する女性も助けられない。

　原作知識を生かしてゲームをクリアしようとしていたが……。

『ヤミマギ』の中では『姫野（ひめの）マモリ』という、ゲームのヒロインの親友キャラクターの女性となっている。

【ヒロイン/別プレイヤー】

　川合井陽彩（かわいい　ひいろ）

　主人公のクラスメートで、彼から異常に愛されている女性。

　宗護いわく「真面目で我慢強くて、誰にでも優しい女の子」だが、実際にそういう人物なのかは不明である。

　彼と同じく『ヤミマギ』に転移し、主人公キャラクターの『芽上（めがみ）セカイ』となっている。

　彼女もプレイアブルキャラクターなので何らかの意思を持って動いているに違いない。

　自分の正体を隠して接している宗護からは陽彩の意図や願望は見えず、困惑するばかりだ。

【サポートキャラクター】

　姫野（ひめの）マモリ

　主人公の転移先であり、彼と陽彩をゲームの世界に呼んだ張本人。

　宗護からすれば敵に違いないが、『トゥルーエンド』に到達するのはマモリの願いなので彼のことは全力でサポートしてくれる。

　原作と同じく攻略対象キャラクターの現在の好感度や居場所がわかるアビリティを持っているそうだ。

　主人公の『芽上セカイ』に執着し、友情なのか愛情なのか区別のつかない感情を彼女に抱いている。

　元々はフランス人形のように可愛らしく、特に個性のないキャラクターだった。

　彼女が歪んでしまったことには何か原因があるかもしれない。

【メインキャラクター/攻略対象】

　王侍（おうじ）ミナセ

　優等生という言葉が似合う、成績優秀な男性。

　水色の髪と濃いブルーの瞳を持っている。

　宗護いわく「同じ男と信じられないくらいに綺麗な顔をしている」そうだ。

　真面目で優しくて責任感が強い性格をしており、誰かといる時は自分を抑えたような発言や常識的な行動をする。

　だが心の奥では誰かに甘やかして欲しい願望を抱いているため、それが本来の姿なのかは不明である。

　主人公に目をつけられ、最初に籠絡されて行く。

　依存心の強そうな相手の好感度を上げるのは危険が伴いそうだが……。

　回復魔法を得意とする水のマギアの使い手。

　戦闘は苦手で、生粋の回復職（ヒーラー）タイプ。

　咲衣（さくい）ダイチ。

　一見明るくて天真爛漫な性格をした、天才肌のスポーツ万能な男性。

　金髪とエメラルドグリーンの瞳を持っている。

　あどけない見た目と小動物のような動きで弟キャラクターの印象を与えて来るが、女好きで妙な色気があるそうだ。

　自分のことをだけを見て欲しいタイプで、相手を翻弄する様は宗護いわく「屈折した小悪魔」

　かまってくれる人間に執着し、幼馴染で親友の『王侍ミナセ』にはかなりの執着を見せている。

　どうでもいい存在だと思われることに恐怖心を覚え、そうなると途端に弱気になる。

　側に親友がいる間は大丈夫だが……。

　防御魔法を得意とする地のマギアの使い手。

　身体能力に優れ、戦闘でも相手を翻弄する防御職（シールダー）。

　狩人（かると）ホムラ

　無口で不愛想で黙っていればクールに見える、心根の優しい男性。

　深紅の髪と紫の瞳を持っている。

　高身長で体格がよく、宗護いわく「イケメンというより男前」だが、小さくて可愛いものが好きなために残念さを漂わせることがある。

　多くを語らないので何を考えているのかわかりづらいが、動物が好きなことと『魔成獣（ませいじゅう）小屋』でよく見掛けることは間違いない。

　三人の中では断トツで戦闘能力に優れ、マギアの力も桁違いに強い。

　シューティングゲームが上手いなど、武器の扱いにも慣れているようだ。

　他人を傷つける性格をしていないので、何もなければ彼と戦闘になることはないはずだが……。

　攻撃魔法を得意とする火のマギアの使い手。

　あらゆるパラメーターが高いので、自己回復できない以外は弱点がない攻撃職（アタッカー）。

【隠しキャラクター/攻略対象】

　真堂（まどう）ヒカル

　かつて魔物から世界を救い、メシアと呼ばれている作中最強の男性。

　銀髪に灰色の瞳を持っている。

　優秀なマギア使いを生み出す真堂家に生まれて比類なき実力を示すが、実力故か性格は尊大でプライドが高い。だが正義感の強さも同時に持ち合わせている。

　他人を見下す態度のためにあまり人から好かれないが、妹の『真堂ミヤ』には優しく接している。

　世界を守るために三百年間封印され続けており、自由に動くことができない。

　すべての魔法を得意とする光のマギアの使い手。

　孤高の万能職（オールラウンダー）。

【？？？】

　真堂（まどう）ミヤ

　原作ゲームではひと言もセリフを与えられていない、語られない女性。

　黒髪に金色の瞳を持っている。

　兄の『真堂ヒカル』と共にかつてこの世界を救い、現在は封印されている。

　主人公の『芽上セカイ』と似た容貌を持っている。

　魔物と同質の闇のマギアの使い手。

　実力は未知数だが、彼女は世界を終わらすことができるとも言われている。

●専門用語紹介

【マギア】

　魔法のこと。

　他人を攻撃したり回復できる他、ガスや電気等インフラ設備を動かすエネルギーにもなる。

　マギアには属性があり、種類は火、水、地、風、光、闇だ。

　知られていない属性が存在する可能性はある。

　火属性の人間は体温が高めで、水属性は手が冷たいなど身体にも多少の影響を及ぼしている。

　それぞれの属性には相性があり、例えば闇は光以外のすべての属性に強い。

　実力差が大きければ相性が不利でも勝てる。

【マギア・アカデミー】

　姫野マモリたちの通う全寮制の魔法学園で、『ヤミのマギア』の舞台となっている。

　マンモス校のため設備は充実しており、大きな図書室や食堂の他、生徒たちの交流の場であるラウンジも用意されている。

　地下には巨大な実験施設があるという噂も聞くが、実在しているかは不明である。

　マギア・アカデミーは孤島に存在しており、島にはレジャーランドやカフェ、ショップなどが点在している。

　生徒たちはここに通う三年間、孤島から出ることは許されない。

【デウス/ディア】

　マギア・アカデミーで最も優秀な卒業生に贈られる称号。

　デウスは男性、ディアは女性で、それぞれ一名ずつしか選ばれない。

　二人が『祈りの間』と呼ばれる場所で儀式を行うことで、この世界の安寧が保たれると言われている。

　元々は世界を救った『真堂兄妹』を称えるためのものだった。

　そのため、初代デウスは『真堂ヒカル』であり、初代ディアは『真堂ミヤ』だ。

【魔成獣（ませいじゅう）】

　マギアの力で造られた動物。

　マギア・アカデミーには彼らの飼育小屋がある。

　本来は禁止されているが、生物をマギアの力で魔成獣に変える実験もどこかで行われているという。

　生物の中には「人間」も含まれているらしい。

　魔成獣はマギアを使うことができる。

　また、武器や何らかの隠し技を内蔵しているものもいる。