高熱。


 Aさんが高熱を出してうなされていたときの夢。


 気が付くと、Aさんの頭上におばあさんが宙に浮いていたという。


 着物を着た、小柄でしわしわなおばあさん。


 小さい頃に亡くなった、曾祖母・・・のような気がしたが、どうだかわからなかったという。曾祖母のことは、小さい頃過ぎてよく覚えていないのだそうだ。


 Aさんが高熱を出している数日間、寝ると枕元に座られたのだとか。

 正座をして、じっと宙に浮いて、なぜかずっと、無言で見下ろされていたのだそうだ。


 熱が引いてからは、現れなくなったという。


 なんだったのだろうか? 未だによくわからない、とAさんは思っているそうだ。

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