第12話 僕らのこれから

「別に気にしなくていいよ、この村では普通だから」


 実際、ここにいる連中の大概は孤児だ。

 別に何とも思わないし、それだけの事だ。

 ユナが気にすることなど何もない。

 

「レイルは、寂しくないの?」

「全然、いっぱい師匠達から愛情を貰ってるから寂しくないよ」


 もし、もしもだけど師匠に会う事がなかったら、僕は今頃屍の様に彷徨いその辺の獣や魔獣に殺されていただろう。

 クロナやミリネ、大切な人と出会うことなく絶望の中生涯を終えていたに違いない。

 どうしようもない師匠だったけど、命を救ってくれたことには感謝だな。

 

「そっか……」


 ユナはどこか寂しそうだった。

 そう言えば、彼女の両親について聞いたことがなかったな。

 ……やめておこう、これに関しては踏み込むべきだは無いな。

 違う話題を出そう。

 とはいっても、どんな話題がいいだろう?

 う~ん。


「……兄?」


 そう思っているとクロナが起きた。

 

「ユナ? どうしてここに?」

「あ、うん。 ちょっと眠れなくてね。 ミリネは寝てたし、クロナは何処を探してもいなかったから、レイルと話そうかなって思ってさ」

「……そっか」


 そういうと眠たそうにウトウトしながら言った。

 

「ごめんねクロナ、私もう行くね」

「待って」

「クロナ?」

「今日はユナと一緒に寝る。 兄、いい?」

「うん、構わないよ」

「うん、じゃあユナ、一緒に寝よ?」


 そう言って手招きするクロナ、寝ぼけてるな。

 ってか何言ってやがるこの天使は。


「え、うん寝る寝る!!」


 君も乗り気になるなよ。

 ユナは「お邪魔します」といって中に入ってくる。

 この子、こういうのには遠慮ないよな。

 

「レイル、もっと寄って!!」

「はいはい」


 もう言い返す気もない、駄目だと言っても「クロナがいいって言った!!」って言って無理矢理にでも居座るだろう。

 

「んじゃ、おやすみ」


 もう眠い、寝よう。

 そう思って僕は瞼を閉じ、眠りにつくのだった。



 

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「私だけ仲間はずれされたぁ~!!」


 朝から煩い奴だな。 

 ミリネが僕の部屋に入ると、ミリネとクロナが眠っているのに嫉妬して叫んでいた。

 

「え、ミリネ!? どうしたの!?」


 びっくりしたユナはミリネに駆け寄る。

 ミリネの行動にユナはどうしていいかあたふたしている。

 見ていてすごく面白い。


「だって、だって……私だって皆と一緒に寝たかったのに、私だけ……グスっ」


 ミリネは凄く寂しがりだ。

 普段は明るく元気で一人でも問題ないように見えるが、極度の寂しがり屋なのだ。


「それじゃ、今日は一緒に寝よっか」

「……うん」


 そう言って涙をふくミリネにユナは頭を撫でて宥めていた。

 

「ごめんね、ユナ。 困らせちゃって……」

「うんうん、そんなことないよ。 落ち着いた?」


 ユナの言葉にミリネはコクリと頷く。


「それじゃ、朝ご飯つくりにいこっか」


 ミリネは「うん!!」ッと明るく振る舞ったように言うと、二人は下に降りてった。

 さて、そろそろ起こすか。

 クロナの方を見る。

 クロナはすやすやと可愛い天使の様な寝息を立てている。

 「クロナ」っと呼びかけるが、気持ちよさそうに寝ていてこっちが起こすのが申し訳なくなってくる。

 少し悪いけど、いつもの使うかな。 

 彼女の首元に少し触れ、魔力を流す。 

 瞬間、彼女は起き上がる。


「兄、おはよう」

「うん、おはよう」


 クロナは魔力耐性が高いし、元素魔力を少し放つだけで防衛としてすぐ起きる。

 目覚めもすっきりしてむしろ起こされるよりクロナはこっちの方がいいらしい。


「昨日はよかった」

「それはよかった」

「そう言えば、ユナが夢に出てきたから兄と一緒に一緒に寝た」


 昨日の事は夢だと思っているようだ。

 夢じゃないが、夢という事にしとくか。

 

「そうか」

 

 そう言って彼女の髪を櫛で溶かす。

 

「兄のこれ久しぶり」


 嬉しそうに微笑んでいる彼女の髪を整えていく。

 

「今日はどうする? 編むか?」

「うん、三つ編みにしたい」

「ほいほい」


 そうして僕はミリネの髪を編み、三つ編みを作るとクロナは満足そうに微笑むとくるりと回転する。


「似合ってる?」

「うん、とっても可愛い」

「ふふ、ありがとう。 嬉しい」


 そう言って彼女はルンルンと台所に降りていくので僕も台所へ向かう。


「兄にしてもらったぁ~」

「よかったね~」


 そういうとクロナは嬉しそうにしながら「手伝う」と言って手伝っている。

 

「僕も何かしようか?」

「う~ん、あ、ならお風呂沸かしといてよ」

「うん、わかったぁ~」


 ユナは風呂が好きだなぁ~。

 そうして僕はお風呂を沸かす。

 とはいっても水を一気に満たして後に魔道具で温めるだけなんだけどな。

 クロナの開発した魔道具、放熱器は火を使うことなく魔力で熱を放つ魔道具だ。

 これの便利な所は保温効果と温度を設定できる点だ。

 これがあれば設定している限り、自動的に温度を調整してくれるので非常に重宝している。

 そうしてお風呂を入れ、食卓に戻ると食事を済ませ今日の訓練が始まった。

 


 


 


 

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