第十六回 ラ・クカラチャ
今日、晩御飯食べているときにですね、二杯目のご飯をそようとしてたら、目の隅を何かがかすめていきました。
ついと追いますと丸々とした黒い
おおっ、この夏初めて見ましたよ。
なんで人の前に出て来たんだって言いたくなるようなヨタヨタな歩みで、こっちの気配感じて逃げようとはしているんだけど、どういう訳か隙間に入ろうともしないで壁伝いに進むだけ。
さすがに発見してそのままに済ませるって訳にもいきません。
おまけに食事中です、不快は早く排除すべし。
ごみ箱傍に常駐してある片方だけのスリッパを手に取って、処理しやすい場所まで奴が進んでくるのを待ち伏せ、一撃必殺、追い打ち滅殺。
Gはその生涯を終えました。
卓上サイズの塵取りセットで素早く片して玄関外へ。草茫々伸び放題になっているアパートの中庭に向けてポイしました。
中庭に住まう小動物か昆虫が糧にしてくれることを願う。
うーん、G見たのも久しぶり。前回見たのいつだろう? ってくらいです。
ここ数年、部屋に現れるGって、まず素早くない。
どいつもこいつもなんかノタノタしてて、やられそうになった時に早さが戻ることがあるか無いか。
なんか弱った状態でしか出てこない感じがしてます。
昔は元気いっぱいで、見つかったと察したら電光の早さで隠れようとしてたんですが。
ま、こっちとしたら、処しやすいのでものすごく助かりますけど(苦笑)
しかし、あのGが最後の一匹だとは思えない……。
一匹見たら三十匹がいにしえからの言い伝え。
くれぐれも油断めされぬように。
予定してたネタとは違うけど、埋まればOKOK。
ではまた明日。
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