「ひとつの装置」★★★★★★★★★☆
〇収録「妖精配給会社」
〇評価(10点満点)
アイデア:5(5点満点)
文章 :4(5点満点)
合計 :9
〇あらすじ
公園に備え付けられた「なにもしない装置」。その装置のゆいいつの役目とは……
〇寸評
星新一の小説の中でも、屈指のアイデア。おそらく、星以外でこのアイデアを思いつく者はいまい。星の、人類というものに対する複雑な心境が垣間見える。愚かだと思いつつも、自身もそのひとりとして抱えている愛情。
文章も後半はアイデアに十分応えるものであるが、問題は前半である。
おそらく、オチから逆算してそうせざるを得なかったのだろうが、資金を巡る役人とのやりとりに疑問がある。主人公を資産家にしてもよかったようにも思うが(構成がすっきりする)、それでは、星の想い描いた主人公の人物像から離れてしまうと考えたのか。星に聞いてみなければわからないだろうが、首をひねらざるを得ない。
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