第19話 装備強化!!

 宿屋へ戻り、マリンに挨拶をした。



「ただいま」

「おかりなさいませー! アウレアさん、リディアさん」



 相変わらず小さいのにシッカリしているなぁ。



「魔王ルミノックスと会ったよ」

「ええー! 凄すぎですね!」



 自慢ではないが、よく生きて帰ってこれたと俺も思う。それにしても、勇者側も魔王側も相当なワケアリだな、ありゃ――。


 うーん、勇者ゴッドフリートは二代目で奴隷娘。けど、可愛げもあるし……面白そうではある。


 魔王ルミノックスは元聖女のお姉さん。かなり美人だが……むむ。



「悩んでいますね、アウレアさん」

「まあな。じゃ、俺とリディアは部屋へ戻るよ」

「はい、またです!」



 マリンと別れ、俺とリディアは部屋へ。

 戻ると中にはすでにニキシーの姿があった。いつの間に帰っていたんだよ。


「あ、おかえりなさい!」

「ニキシーお前な……」

「途中で帰って申し訳ないです! でも猫会議があったので!」

「ウソつけ。お前、魔王を前にしてビビって逃げたな」

「そ、そ、そんなことありませんって!!」


 めっちゃ否定しているけど動揺しすぎだろ。


「まあいい。それよりも、そろそろお金を稼がないとなぁ……」

「あれ、アウレアさん。金貨とが銀貨いっぱいあったじゃないですか?」

「うーん、気づいたらもうなかった」

「えー! 金遣い荒くないですか!?」


 ここ数日でいろんな装備を整えていたから、そのせいだろうな。現在の装備はこんな感じだ。



【アウレア:Lv.-41】

【頭:上段】なし

【頭:中段】アタックピアス

【頭:下段】なし

【鎧】アクアローブ

【右手】スピアー(呪)

【左手】ガントレットシールド

【外套】呪われしマフラー

【靴】-10呪われたシューズ(呪)


【アクセサリー①】回復の腕輪(呪)

【アクセサリー②】呪われたネックレス


【所持アイテム】

 なし



 ――とまぁ、多少マシになっていたのである。

 相変わらず装備が呪われやすいが、使えそうなのもチラホラ。ようやくそれらしくなってきた。



「というわけさ」

「そういうことでしたか! では、またクエストを受けねばなりませんね」

「ああ、だけど……」

「だけど?」


「俺は勇者と魔王でビジネスをしようと考えている」



「「え!?」」



 ニキシーもリディアも驚く。

 だよな。でも俺は本気だった。

 このまま勇者に肩入れすればきっと魔王を倒せるだろう。だけど、俺はそれが良い解決策だとは思わなかった。


 魔王は“元聖女”だぞ。


 つまり人間だ。

 彼女にはきっと何かあったんだ。絶望するほどの何かが。俺はそれが知りたいんだ。


 だからこそ、今は勇者と魔王をぶつけるのではなく――別の方向で平和的な解決を目指そうと思った。もちろん、金は稼がせてもらうが!


 あと、ついでに俺のレベルダウンの謎も解かしてもらうぞ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る