俺だけレベルダウンで最強です ~勇者と魔王のどちらの味方でもないが、戦いが止まらないので俺がバランスを取り平和を維持します~ 目指せ!! 静かなるスローライフ
第6話 女性冒険者を捕食する恐ろしきキングゴブリン!!
第6話 女性冒険者を捕食する恐ろしきキングゴブリン!!
ひたすらモンスターを狩っていく。
ソンブレロの村付近には、ゴブリンがたくさんいた。俺はとにかく狩りまくった。
『――ギャアアア!』
最後の一匹を撃破した。
スピアー(呪)はなかなか使えるぞ。でも、俺は槍使いになるつもりはないんだけどなぁ……。今のところ使える武器がこれしかないから、しゃーないか。
「お疲れ様です」
俺の肩にぶらさがるニキシー。猫は楽でいいな。
「自慢じゃないが、だいぶレベルダウンしたぞ!」
「おぉ、いくつになったんです?」
【アウレア:Lv.-21】 → 【アウレア:Lv.-29】
「ってところだ」
「うわー、ある意味凄いですね」
「けどな。どんどん弱くなるどころか、俺のステータスは上昇傾向だ」
「なんと!」
【ステータス】
STR:66
AGI:40
DEX:20
INT:01
VIT:10
LUK:-99
「――って感じ」
「おー、攻撃力だけやたら高いですね!」
「おかげで物理攻撃だけは火力出るよ」
だいぶゴブリンも狩った。次はいよいよ大ボスの『キングゴブリン』を討伐する。それがソンブレロの村を救うことにもなるし、俺のレベルダウンにも繋がる。
「む、この先なんだか怪しいですよ」
ニキシーは洞窟の方を肉球で差した。
確かにあそこは臭うな。
俺はそこへ向かってみた。
すると、王冠を被った大きなゴブリンが冒険者の人間をバリバリ喰っていた。
「…………た、す、け……」
『バリッ!!』
冒険者の女性は頭から喰われ、骨の髄までしゃぶり尽くされていた。ウソだろ……。マジかよ……。怖すぎんだろ。
「げへへ。なかなか美味かったぞ。やっぱり食うなら人間の女だなァ!」
「下衆が!!」
「なんだ、貴様」
「お前がキングゴブリンだな!」
【キングゴブリン】【Lv.41】
【詳細】
ゴブリンの親玉。
太っちょだが剣の達人。
ゴブリンの取り巻きを召喚する。
「そうだ……って、なんだこれは!」
ニキシーのモンスター情報が目の前に現れ、視界が遮られた。……おふぅ。まあいいか、おかげで詳細が分かった。やっぱり、コイツはキングゴブリンだ。
「倒す!!」
「倒すぅ!? このオレ様をォ!?」
「今さらだが……シャベッタ!!」
「おせぇよ!!」
俺にツッコミながらも、キングゴブリンは剣を取り出し突撃してきた。俺は回避してスピアー(呪)で、そのデカい図体に突き刺した。
『ポヨン!』
くそっ、太りすぎだろう。
槍は貫通することなく、弾かれてしまった。
たいしたダメージは入っていないな。
「だめです、アウレアさん。キングゴブリンのお腹は肉厚で貫通が難しいのです!」
「くそう!! まだレベルダウンが足りなかったか……」
その時だった。横からアンドレアさんが現れた。
「探しましたよ、アウレアさん!」
「アンドレアさんこそ、どうしてここに!」
「いや~、それがゴブリンがかなり減って村長が喜んでい――」
『ガブリッ!!!!』
直後、キングゴブリンがアンドレアさんを捕食していた。上半身を失い、下半身だけになるアンドレアさん。……死んだ。
そんな!!
こんな呆気なく人が死んでいいのか!!
「よくもアンドレアさんを!!」
「ふははは! オレ様の前に立つ馬鹿な人間が悪い!!」
「許せん。絶対に許せん!!」
「貴様もオレ様の腹の中におさめてやる。死ねええええええええ!!」
剣を持ち、再び向かってくるキングゴブリン。だが、俺は本気で反撃を開始した。
「いけええええええ、ニキシー!!」
「え、え、ええええええええええ! ボクううううううう!?」
「お前なら何かスキルがあるだろ!!!」
「ボク、あんまり魔力量が多くないので今回だけですよぉ!」
渋々ながらもニキシーは両目を『ピカッ!』と光らせた。
「まさか……」
「目からビーーーーーーーーーーーーム!!!!!!!」
ちゅどーんとマジで目からビームを出してしまった。うぉい!!
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
キングゴブリンの腹が貫通した。
まてまて。とんでもねぇビームだったぞ!!
ま、倒せたし、いっか!
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