第50話
「凛ちゃん、葵ちゃん、次の日曜日空いてる?」
「うん!」「冬人くんが、空けてっていうなら空けるの!」
「無理にじゃなくていいよ」
「あのね。何かあるの?」「葵も何があるのか知りたいの」
「俺の誕生日だから一緒に「「行く!!」」あ、はい」
やっぱり、即答だよねー。知ってた。しかし、誕生日に友達を呼ぶの何げにこの世界に来て初めてかも。ちょいと照れくさいでやんすが、祝われると思うと嬉しいでやんすね、アニキ。あぁ、まったくだ。
冬人くん劇場終演。
とにかく、呼びたいと思ってた2人は呼べたからいいか。他の子たちも来たいとか言うかな。
「凛ちゃん、葵ちゃん、お願いがあるんだけどね」
「冬人くん、どうしたの?」「もちろん聞くの!」
「俺が呼んだのはまだ凛ちゃんと葵ちゃんだけだからね、他の子に話したら羨ましがられると思うんだ。だから3人だけの秘密にしてくれたら嬉しいなぁ」
「「もちろん」」
3人だけというのが、効いたのかかなり食い気味に応えてくれた。断られる心配は、してなかったと言えば嘘になるけど、やっぱりよかったよかった。冬人くんは、ひと仕事終えたので安心安心。どっこらせー。
(凛ちゃん、凛ちゃん)
(葵ちゃんどうしたの?)
(冬人くんのお家にはあの女の人がいるの!)
(! そ、そうだね! あのね。私、気をつける)
(それはもちろんなの。その人がもしかしたら、冬人くんが好きな人かもしれないの! だから、冬人くんの好みをいっぱい知れるの!)
(そうだね! その人にいっぱい教えてもらおうね!)
(うん)
何やら、2人がコソコソと。普段ならたぶん聞こえてると思うけど、今日は何ぶん周りがうるさい。いい事だよ!! うん。子供は風の子、元気な子。元気があれば何でもできる。
とにかく、そんなわけで、何言ってるのかはわからない。冬人くん抜きで何か話をされると冬人くんのヒビ入りガラスな心は今にもパキリパキリと。いやしかし、幼女同士の内緒事なのだ。きっと大事な事なのだろう。ここは、男冬人。その尊き心に免じて、見逃してしんぜよう。
「ねえねえ、凛ちゃん、葵ちゃん、何かしよー」
「「する!」」
「何したい?」
「お絵か「却下」」「葵はつみきしたいの」
「きゃっか?」「葵はつみきしたいの!」
「凛ちゃん、葵ちゃん、つみきしよっか」
「わーいなの!」「あのね。冬人くん、無視したらダメだよ」
「お絵かきはしたくないんだ」
「そうだったね。冬人くん絵が下手だったよね」
グサっ!
「冬人くん下手なの! 下手なの!」
グサグサっ!
やめて! 冬人くんの残りヒットポイントはゼロよ! 死なないで冬人くん! 次回、冬人死す。
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