僕のぞんざいな態度を受け、涙を呑んだポワンは。


「それで、本題です」


 そのまま、言葉を切り出す。


「今回の悪魔による騒動の事後処理と原因究明は無事に終わりました。ティラン様が協力を要請してくれた四方は非常に良く力になってくれました。感謝いたします」


「それなら、良かった」


 アルマたちが結構、精力的に動いているというのは知っている。

 彼女たちの方も多くの学びを得られたことだろう。きっと。


「それで、その詳細の情報はいりますか?」


「別にいらん」


 自分が欲しい情報はこの一か月で手にしてある。


「話はそれで終わりかな?」


「はい。終わりになります。報告は必要かと思いまして」


「あぁ、うん。言ってくれると嬉しいよ。この後、どうするかは生徒会長の方に聞いておくわ。そろそろ学園の方に帰る頃だろうし」


 もう十分だろう。時間的に。


「そう、ですか……それと、ティラン様。話をもう一つだけいいですか?」


「ん?何?」


「改めて宣言させてください。私は貴方のことが好きです」


「……別に、僕はお前の思っているような聖人君主でもないよ?普通に最低と言えるような人間性だよ?」


 さっきの今で、よく言えるよね。尊敬する。

 立ち直りが早すぎるでしょ。あまりにも心臓が強すぎるわ。


「それでも、好きなのです。どうあっても、抗えないほどに、私は好きですわ」


「あっそ」


「ですが、貴方がふらふらと他の女のところに行くのも許せないですわ。ですから、私一人だけにメロメロになってしまうよう、頑張りますわ」


「無理だよ?」


 自分のハーレム願望は前世から、自分でも確固たる理由はわからないほどに根強く自分の中を支配している。

 一人の人間とのどうこうで、自分のこれがなくなるとは思えない。

 僕の本能的ともいえる、自分を構成する生まれながらの性で、欲望だからね。

 割とガチでハーレムを作るために生きているところもある。

 当然、良い飯だったり、快適な場所だったり、とかも重要だけど。


「それでも、です。それを簡単に諦められるほどに乙女は甘くないですわ。何とか、そちらの学園の留学生の枠をこちらで得られそうなのです。待っていてくださいね?」


「そう。まぁ、別にポワンも悪い体つきじゃないからな。期待して待っておくわ。お前が股を開くのを」


「最低です」


「嫌いになったか?」


「それはありえません」


「意味が分からん」


 何でこいつは僕のことが好きやねん。


「それでは、また」


「おう。また」


 これで話が終わった。

 そう判断した僕はポワンと別れ、この部屋を後にするのだった。

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