錆びた釘

子供の頃、祖父の家に遊びに行ったときのこと。

祖父宅の近くで遊んでいたとき、民家の入口に錆びた釘がたくさん落ちていた。

こんなところに落ちたままにして危なくないのだろうかと見ていると、そこの家主のおじいさんが出てきて「危ないけ、触らんのよ」と注意された。

なんでこんなものが落ちたままにしているのかと聞くと「こうしとかんと、入られるけね」と言う。

そのときは一体何が入ってくるのだろうと不思議だったが、成長してから大人に聞いた話によると、そこの家の人は長いこと怪奇現象に悩まされていたのだという。

つまりあの錆びた釘は、厄除けか何かだったらしい。

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