第29話 頭脳警察『日比谷野外音楽堂ライブ』(非売品CD)
2000年代初頭、インディーズからですが、70年代の頭脳警察のアルバム『1』を含めた6種類が紙ジャケ仕様にてのCDが発売となりました。ビクター時代にCD化されたものは、都合の悪い言葉には修整がされていましたが、この時のCD化は、全て修整無しとなっています。個人的には放送に不都合な言葉は、修正されても仕方のない部分はありますが、差別的に使われていない事が明らかであるだろうというものは、必要以上に規制しなくてもいいとは思っています。当時はそこまで意識することはなかったですし。現在は、以前は問答無用で修正され、若しくはそれが原因でアルバムから削除されたような作品も聴けるようになってきています。まぁデリケートな問題なのでこの辺りにしておきます。
さてこの時に購入出来た6種類のCDには応募券が付いていまして、それを全種類集めて郵送すると、非売品のCDがもらえるという企画をやっていました。(当然現在は締め切りを過ぎています)なんと、その非売品のCDは、未発表の日比谷野音での頭脳警察のライブを編集したものであるとの説明が。当然、全て購入する予定でしたので、郵送して到着を待ったわけです。
到着した非売品CDは紙ジャケ仕様で、写真等は使用されていないデザインとなっており、文字のみのシンプルなものです。しかしながら、しっかりとした解説も封入されていました。何度も書いてきましたが、頭脳警察のライブ音源は、この当時はそれ程は聴く事は出来ませんでした。6種類のCD化の同時期に発売された第28話の『聖ロック祭』の発売だけでも大事件と思われましたし。そしてまだ隠し玉があるような感じの今回の非売品のCD。ファンとしてはワクワクするものがありましたね。
このCDに収録されている音源は、抜粋ながら3種類のライブから構成されています。
まず最初は、1972年8月15日の『WAR IS OVER…?』というイベントから4曲。ジョン・レノンの『ハッピー・クリスマス』からパクったようなイベント名ですが、まぁよくある事ですので気にはしませんが。注目すべきは、PANTAとトシに加えて、ベースに増尾光治さんが参加したバンド形式のスタイルだという事です。『1』と比較しても雰囲気はかなり違ってきます。正式な録音ではなく、会場で録音したような音質ですが、これは貴重な記録となりますね。
続くは、1973年10月20日の『聖ロック祭』から2曲。もう発売されているものではないかと思っていましたが、どうやら当日は本編とアンコールとで2回演奏した曲もあったようで、発売されたものとは違うテイクとなっています。多分、他では聴けない貴重なテイクだと思います。
そして最後は、1974年8月4日の『ツーステップコンサート』の音源から5曲。この時に郡山では『ワンステップフェスティバル』という一大イベントが開催されていたのですが、PANTAが「オノ・ヨーコさんが好きではない」という理由で出演を拒否。如何にもPANTAらしいです。その為このイベントでは有名なアーチストやバンドは参加していなかったようです。盟友である四人囃子は、『ワンステップフェスティバル』にて素晴らしい演奏をして伝説を残していますが。
ここでのライブで注目したいのは、加入期間は短かったものの、PANTA自身は高く評価していた悲露詩が参加している事です。PANTA以外で頭脳警察でボーカルををとったのは悲露詩だけですので、その点からも評価されていたのがわかります。兎に角、個性的な演奏でした。PANTAとウマが合わなかったようで、短期間で抜けたのは残念ですが、それだけに貴重な演奏ですね。
全て日比谷野音での演奏で、音質的には厳しいものがありますが、貴重なライブを楽しめたので、当時としては大満足しました。そしてファンとしては、もっと隠し玉はあるはずだと期待するのですが、まぁこれ以上の発売は無いだろうなぁと諦めの気持ちでいたわけです。そして後日、とんでもない形で裏切られることになります。これは次回以降で。
余談ですが、某ディスクユニオンで紙ジャケCDをまとめて購入すると、特製のBOXを貰えました。新聞のコラージュも一緒にデザインされたもので、これがなかなかいい出来です。某ディスクユニオンでは、当時の貴重な帯を複製したものを特典に付けたり、ここでしか聴けない音源のCD-R を特典にしたりと、なかなか強かな商売をしますが、どうしてもマニアには釣られてしまうものがありますね。悔しいですが。
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