第28話 とある自衛隊系YouTuberの防災動画を題材に②
※前話より転載、とある元自衛官YouTuberさんの提言する災害時の持ち出し物品
・テント1~2人用(小型なもの)
・防水リュック
・雨合羽(防寒用にもなる裏地付き・災害用に蛍光色のものが望ましい)
・防水バッグ(リュックとは別に、水袋にもなるもの)
・飲料水(500ペットボトル5本)
・塩(1週間分程度)
・缶詰(魚、肉、ツナ缶など)3個
・園芸用ミニスコップ(金属製)
・ゴム手袋
・トイレットペーパー
・防寒用アルミシート(トイレの際の目隠し用)
・生理用品
・絆創膏、常用薬
・ラジオ、電池
・携帯電話・スマホ、充電用バッテリー
・防水メモ帳、ロケット鉛筆
・手鏡(金属製カバー付き、救助の際の合図用)
・ライター
・カッター
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これら持ち出し物品についても、前項までの考えに基づいて運用されます。
まず、「人間、そう簡単に餓死はしない」ということを述べています。
一日三食というのは平時の考え方であり、基本的に避難している最中は「とにかく動かない」「体力の消耗を最小限にする」ということを繰り返し言っておられます。生き残るために必要なことだけする、被災したなら余計な活動をする必要はない、とにかく一週間耐え忍ぶことに全力を注ぐ、ということが重要だということです。
被災地の映像を見ますと、とにかく何かしら活動している人を映し出しますのでそういった行動を前提にしてしまう心理はわかります。が、動けばそれだけ消耗する、物資も余計に消費する、ということは念頭に置かなければなりません。
Aさんは元自衛官らしく、サバイヴ上必要な事だけを行い、周囲の安全が確保できているならとにかく「動くな」、ということをひたすら繰り返し述べておりました。
すなわち、水は一日500ml程度で充分。それを、普通に飲むのではなく「キャップ飲み」と呼ばれる、一度にボトルのキャップ一杯分だけ飲んでしばらく時間を経過させる、乾きを感じたら再びキャップ飲みを実行する。一日に数回、用意しておいた塩をほんの少しだけ舐める、という方法で充分乾きは対処できると言っております。
一切行動しなければ、確かにこれで賄えなくもなさそうです。
食べ物に関しても、同じような考え方です。
Aさんは基本的に、水と塩さえあれば一週間は食べなくても平気(死にはしない)という考えですが、お優しいことに(?)我々にはそれに追加で缶詰を三個持つことを容認してくれました。
これを数回に分けて食す、サバ缶などは3~4回食べられるほどの量があるのでこれも長持ちさせる、ということです。
そして、みんなが心配するトイレ。
これに関しても、携帯トイレなど嵩張るだけだからいちいち用意するな、そんなものいくらあっても数が足りなくなるだけだ。有事の際は地面に穴掘ってそれで済ませろ(そのためのミニスコップ)、と元自衛官らしいワイルドな提案をしております。
そして、ここでもお優しいことに、人目が気になる人もいるでしょうから目隠しのためのアルミ製のポンチョのような羽織るものを持つことを容認してくれました。
また、メモを取るためのメモ帳も、「無ければ無くて良い」と前置きはしつつ、記録を取ったり連絡事項や計算、隔離された状況での日にちの計算など、必要になることもあるので用意しておいたほうが無難、という見解でした。
この際注意するのは、メモ帳・筆記用具共に「防水仕様」であることを重ねて注意しておりました。
メモ帳が防水であることはもちろんのこと、インクを使うタイプのペンなどは雨が降っていると全く役に立たないので、必ず鉛筆。それも、ロケット鉛筆と呼ばれる減ったり折れたりしたら、次の芯を押し出して使えるタイプであることが必須であると力説しておりました。普通の鉛筆では芯が折れると研ぐ必要がある、シャーペンは故障のリスクが有る、ということでロケット鉛筆一択、ということだそうです。
これは私見ですが、困難な状況で何かを書き残しておくというのは精神衛生上いいことでもあると思います。手を全く動かさない上に、考えるだけでアウトプットが無いというのは、心理的にも悪影響がありますので、被災中の日記をつける用途としても持っておくことをお勧めいたします。
一週間耐え忍べば、自衛隊の救助の手が届くということはご自身の経験から熟知しておられるので、そのあたりの説得力は流石だと思いました。
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……③へつづく
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