　９：４０に入り口のゲートに行ったら、もう来てた。

　すっごい良い笑顔で「ヤッホー！」だって。もう笑うしかない。

「チケット、買っといた！」

「え、そしたら、アタシの分返すね」

「いいの、いいの。急に誘ったんだから！」

「だって、悪いし－」

「したっけ、後でジュース買ってくれよ」

「う～ん。わかった。ありがと！」

「さあ、行こうぜ！」

「よし！　行こう！」

　あたしたちは他の大勢の人たちと一緒に、ゲートの中になだれ込んだ。

「何から乗る？」

「もちろん、お化け屋敷だべ」

「ええ～、アタシ、怖いのダメ～！」

「平気だって。俺がついてるから」

「え～、でも～」

　なんでゲートの目の前がお化け屋敷なんだよ、この遊園地は！

　それでみんな入って行くんだけど、そんなに人気なの？

「ほら、いぐべ」

　差し出された手を握っちゃったよ。（助けてー！）

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