マキャベリストな俺と陽キャな君のナンセンスな恋愛譚

天冥 蒼

序章 

第1話 新学期

 春、それは新たな出会いの季節であり、別れの季節でもある。そんな季節に思いを馳せる男子高校生がここに2人…


「あー…彼女ほしい〜、どっかに都合の良い出会いでも無いかなぁ。」

どこぞの少女漫画みてーに、食パン咥えた美少女とか走ってこねーかなぁ。

「だよなー、高校生活2年目にはなったものの

 彼女が出来る気配が無いしなぁー。」

             

 おっと、紹介が遅れたな。俺は藤宮優とうのみやすぐる

 どこにでもいるただの高校生だ。他人と違うところと言えば、少し友達が多いのと武道をやっているぐらい。それ以外はめっちゃ普通。中肉中背、顔も普通、性格も普通。

 

 隣で歩いているイケメンは石神健人いしがみけんと

俗に言うヤンキーだが、幼稚園の頃からの幼馴染で今でも親友だ。イケメンで高身長のコイツだが、柄が悪いせいでモテていない。



「なぁ優、放課後暇?俺らのシマ付近でイキがってる他校の奴らいるから、シメに行こうぜ。」

「おっけー、暇だしついてくよ。んで、付近で何かしらの実害あったの?」

 実害なかったらいいなー。

「小坊がたかられたらしい。」


「殺すか。」

さすがに小学生に手を出したのは許せん。

俺国憲法では一発で死刑だ。

「いや、怖っ。まぁ、そこそこで許してやれよ、お前が本気出すと死人がでるからな。」


失礼なやつだ、人を戦略兵器扱いしやがって。

俺は武道ができる程度なのに…。  

大げさなやつ。


「ハァ~新学期ダルいーーー!」

「うるせぇよ石神、人の真横で叫ぶな。」

「だってよぉ、また担任がハゲの宮本だぜ。」

「あー…それはお気の毒に…。」

「お前は良いよなぁ、あの水瀬美乃里みなせみのりと同じクラスだしよぉ。」


 水瀬美乃里、うちの高校一の美少女と言っても過言ではない美貌、メリハリのある身体、明るく親しみやすい性格、明晰な頭脳…良い所を挙げればキリが無く、先生からの信頼も厚い優等生だ。


 ちなみに、水瀬は俺の家の近くに住んでいるため、割と親交がある方である。ま、石神にそんなこと言ったら絞め殺されそうなので言わないが。



「水瀬がいて、なにになるんだよ。」

「ワンチャン狙えるじゃねーか。」

「ワンちゃんもネコちゃんもねーよ、俺らとは住む世界が違う。」

水瀬は、そう、まるで雲の上の存在だ。俺みたいな地底人とは違う。

「やっぱそうだよなぁー、でも、すこしはお近づきになりてぇー…って、やべぇ!遅刻まであと3分じゃねーか!」

「嘘だろ、クソっ!全力で走るぞ!」



キーンコーンカーンコーン


「おい、優、チャイムなってるぞ!」

「こりゃあ教頭が激おこぷんぷん丸になるな。チャイム鳴り終わるまでに校門に入らんと。」


軽口を叩きながら走っていると、校門が見えてきた。だがしかし、そこには校門を閉めようとする教頭の姿が!

「ハッハッハッ!新学期初日に寝坊とは、随分と立派な生活態度じゃないか!そんなやつは学校には入れてやらん!」


ガラガラと校門が閉まっていく!

間に合うのかこの2バカたちは!


「「間に合えぇぇぇぇぇぇ!!」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜学校〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「間に合わなかった…。」


まさか初日に遅刻をしてしまうとは…我ながら不覚ナリ…


「おはよう!優君!」


このハキハキとした声、聞き慣れている。

この声は…

「おはよう、水瀬、いつも通り元気な挨拶だこと。」

「良いじゃん、元気な方が女の子は可愛いんだよ、知ってた?」

「知ってるよ、だって可愛いじゃん水瀬は。」


急に顔を赤くする水瀬、どうやら攻撃は成功したようだ。

「冗談だよ〜^^、顔、赤くしすぎだよ〜^^。」

「ッ、優君のバカッ!」


足音を立てながら去っていってしまった。


「おはよう、藤宮、朝からお楽しみのとこ悪いが、よく初日から遅刻してくれたなァ。」


背後から殺気を感じる。振り返りたくない。

土下座をすれば許してもらえるだろうか。


「おい、先生に呼ばれたら返事だろうがこのアホ!無視すんな!」


「誠に申し訳御座いませんでしたーーー!」


 〜〜〜〜〜〜〜放課後〜〜〜〜〜〜〜〜

「新学期初日から遅刻するなんてついてねー。おい石神、お前が変な話するせいでこんなことになったんだぞ。」

「別に変なことじゃないだろ…つか、俺だけのせいにすんじゃねぇ!!」


俺達は今、初日から遅刻をかますという素晴らしいことをしてしまったため、生徒指導室に連行され、反省文を書かされているのだった。


「そういや石神、今朝話してた他校の奴らって、たかる以外になんかやってたりする?」

「んー、確か、俺の友人の友人の友人の彼女が襲われたって話を聞いたことがあるな。」

「いや、めっちゃ危ないやんけ、なんでそんな奴らがこっちまで出張って来てんだよ?」 

「しらねーよ、でも、なんか目的があるかもしんないな……ワンチャン水瀬狙いだったりして。」

「まっさかぁ、まさかのマッカーサーぐらい有り得ねぇよ………マジ?」


「おい、優、俺達のシマの近くに水瀬んちあるか?」

ちなみにシマとはカッコつけて言っているだけで、自分たちの家の近所のことである。

「……あるな。」

「つーことは、もしかしたら水瀬が下校中に奴らに遭遇することもあるかもしれないのか?」

「それはまずいとか言ってられないぐらいまずいカモ。」

「とりあえず、早く帰って、奴らが溜まってそうなとこ探ってみるか。」







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

初めて小説を書きます。よろしくお願いします




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る