コミュ障すぎて会話するだけでMPが尽きる最強ヒーラー〜追放されたけど、うるさい陽キャ剣士と組んで旅に出ます〜
玄野久三郎
聖女成り上がり編
第1話 追放×2
「ミュウ、お前をギルドから追放する」
ギルドマスターの声が、
その表情は、まるで不良品を見るかのようだった。ここ最近、
しかし、
「…………!」
しかし結局、
(
そう目で
「そのじっと
グラハムが
そう、
というか、日常生活でもほぼほぼ人と
「とにかく、
いやいやいや。
考え直してくれないですか、ギルドマスター! だって――
「
よって、外にも出ずに一日中ギルドにいるようなヒーラーはいらん!
つまり、お前のことだ」
(――それやってるの
内心で
目を
■
(
古びた木のテーブルは、欠けたり
その
すると
「
広間が
「早く! ヒーラーはいないのか!?」
「ヒ、ヒーラーは……いないんだよ。けど……」
「おいおい、ずいぶんなケガだぞ……ホントに治るのか……?」
大げさだなあ。
これくらい死ぬような
確かに、
テーブルのそばに立てかけていた
そのほんの
「あ、あれ?」
「
「ふん。だから
少し
これでもかというほどのドヤ顔を
周囲から
「す、すげぇ……! これが本物のギルドの加護かぁ!」
「ギルドに
「言ったろ?
「
そういう事情も相まって、
(……ま、これであの人が死なずに
なので
グラハムが新入りの
「
おそらく、多くの
(そんなのあるわけないじゃん……)
そんなふうに、ギルドの午前は過ぎていった……んだけど。
■
「おい、ミュウ!」
午後になってから
厚手の深緑のカーペットが足音を
その光は、
グラハムは、
その目には、
「ミュウ」
グラハムの声が、
「…………」
「お前は、このギルドに何をしに
(何って……ヒーラーとして働いてるんじゃないの?)
「答えろ」
グラハムの声が低く
「……ぁ……あの……それは、あ……ええと……」
……そう。
人里
ほら、よく例え話で、「人と話すとMP使うよね〜(笑)」とか言うじゃない?
……
死んでさえいなければどんな
一方、
最大回復
「まったく」
グラハムは深いため息をつく。その息は、
「お前は、ギルドに入ってからずっとこうだ。
(それは……ごめんなさい……。だってパーティーとか絶対ムリだし……
「
グラハムの言葉に、
(いや、でも
「お前は、ギルドの
グラハムは言葉を切り、
「もう1度言おう、ミュウ。お前をギルドから追放する」
その言葉に、
ギルドの加護とかいうのが
そうしてグラハムは
「これ以上、ギルドの
……
(パーティーの件はたしかに
例の、グラハムが
アレに
「まったく。人と話さないんだったら
「……」
ギルドマスターの
といっても、
これらを古びた
「聞いたか?あのコミュ
「マジか。まあ、あいつよくわかんないやつだったしな。顔は
「ギルドに
(……ああ、
だって、説明するのに必要なMPを考えたら……ゾッとする。
荷物をまとめ終えると、最後にもう一度
ベッドの横には小さな
13
(さて、これからどうしよう)
ギルドを出る準備は整った。でも、行き先は決まっていない。
街の外れにある安宿にでも
そんなことを考えながら、
ギルドの大きな
(さようなら、ギルド。まあ、悪い思い出ばかりじゃなかったかなぁ。拾ってもらったことは感謝してるし)
ただ1つ気になるのは、これからのギルドのことだ。
それをアテにして、グラハムはヒーラーの確保をサボりまくっていた。あのギルド、ほんとに
(ま……なんとかなるか。
そんなふうに、ギルドの方を
「……!」
「あっ、ごめんごめん!
「いやー、ついよそ見しちゃってさ。ていうかどうしたのそんな大荷物。もしかしてギルドやめちゃうの?」
「……」
「えっ、適当言ったのにまさか本当にそうなの!? ごめん! これじゃあたしすごいノンデリみたいじゃない!?」
(すごい
「お
そのまま
……
でも、このままバックれるのはそれはそれで
それからしばらく待っていると、
なんか、旅にでも出るような荷物量だ。大きなリュックに
「なんかさ」
「あたしもクビになっちゃった! あはは!」
……なにがアハハなの!?
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