中華大陸のSHY BOY

クレイジーカード CRAZYCARD

中華大陸仕込みの先発投手


野球少年は思い付いた。

中学2年の公式成績を打率10割、HR100本にしてみせる、と。

椙山翔大は同校には居ない。朝生先輩も違う進路に。

楽垣美鈴先生顧問の野球少年たちは

進路てんでんこが相応しいかのように、千々に飛散していった。


中国から転校生の馬翔征(マー・ショウセイ)は投手希望者で

依央利と翔征はいつもコンビネーションを組んでいる。

ミクスはBOYAのコントロールをCUTEと評していたが

翔征のそれはSHY BOYといった感じか。

精度に「照れ」や「ハニカミ」がある分、

もっと突き詰めて制球できるような気がしている。

「はいよ、はいよ。もっとCUTEなスピードボールを……」

「いらっSHY!」「いらっSHY!」「いらっSHY!」

三球勝負に、自己暗示をかける翔征。

克服したいなら、SHYを言霊にってか?


中学2年の公式成績の話題……

打ち損じを許さない打席=全打席!

好機の順番じゃないから、魅せ場じゃないから

手を抜いていいという道理はない!

一球足りとも気の抜けない生存戦=SURVIVAL.

ミクスはそうやって、偉大なる記録を築いて来た。

指を咥えて、背中を見詰めているだけじゃダメなんだ!


与太話:「校長」「教頭」のツープラトンについて

流石は安住さん!

最高キャリアの二人を弄んでの言語遊戯。

確かに「校長」は「紅潮」しそうだし

見事に「教頭」は「狂騰」しそうだ。

(狂騰ってよう知らんけど)

狂騰:物価や相場が、凄まじい勢いであがること。

「……あ、あ、安住さん? 安住さぁーん!」

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