限度青天井、黒曜石錬金術
クレイジーカード CRAZYCARD
30年打率10割 本塁打15000本の礎
「HAHA~HA、BOYA、キュージョー買おうぜ?」
「何莫迦なこと言ってるんだよお前は!」
「BOYA、これがウワサのOBSIDIANCARDだ」
蛇革の長財布からギラギラしたカードを取り出すミクス。
「うへえ、趣味悪いなあ。何だい? その黒光りするカードは」
「通称:CRAZYCARD,ショーガイの活躍を期待された
超一流セレブだけがシヨーすることを許された
ブラックの上をいく、オブシディアンカードだ」
角度を違えて、光を乱反射させてみせるミクス。
黒曜石独特の妖しい光が眩しかった。
「そんでさ、MONO太郎電鉄じゃあるまいし
球場なんて本当に買えるのかよ?」
MONO太郎電鉄は物件を網羅する資産家のおとぎ。
「キュージョー、DOMEを丸ごと買い占めるイメージが
ナンセンスなんだよ! オーナーチェンジだ、要は!」
「あ、ああー、そうね、オーナーチェンジね」
少し現実に引き戻されるBOYAの哲也。
チュア野球で異常な才能を開花させたアヴェーノ・ミクスは
野球界の至宝と呼ばれるほどの逸材に。
「打率10割」やり直しが利くゲームの世界なら
30年間ずっと安打製造機で15000本塁打も不可能ではないが
先ず30年現役という肉体酷使が、現実世界と乖離したエソラ事である。
アヴェーノ・ミクスは選球眼の良さが際立つ選手でもある。
メタメタに打ち込まれた投手は面と向かって勝負してくれない。
その点、BOYAはミクスのクレイジーリードで
恐怖を覚える前に投球を強要される。
最初はメタメタBOYAだったが
相棒(恋女房)が何の意図でCRAZYなのかが解って来た。
チュア野球は今年も盛況だ。勝負を挑むと、鬼の餌食に。
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