破滅ルートよサヨウナラ!番外王女と行く異世界転生物語

じん いちろう

第1話 プロローグ

ざわつく広間で、何故か俺は片膝を着いて右手を地につけ地面を見つめながら誰かの言葉を待っていることに気が付いた。


………………………………………何処だ、此処は?


そんな俺の思いに関係なく、頭上から声を掛けられて思考が中断された。


「勇者サチよ、面をあげよ!」


………………………………………サチって、もしかして、俺のことか?


仕方なく顔を上げて正面を見据えると、偉そうに豪華な椅子に掛けた青年と、その隣にいた女性と視線が合った。


二人とも、何処のコスプレだと疑うような王様と女王様風な衣装で固められていて、王様風な青年の頭上には見事な王冠と、女王様風な女性の頭上には、これまた見事なティアラがまばゆい光を放っていて。


………………………………………俺、さっきまで、アルバイト先の工事現場で交通整理してたよな?

そう思った瞬間、全身が震えるような衝撃と共に全ての記憶が頭の中に流れ込んできて思わずふらついてしまった。


「サチよ、そう緊張するでないぞ。楽にしてくれ、平民であるとはいえ、そなたの功績はそのような事くらいでは揺らぐ事は無いからの。」


………………………………………不味いぞ。ここでしくじると、破滅へと一直線だ。


王様王妃様の傍らの初老の男性に声を掛けられて、この先のストーリーを必死に思い出そうとするも考えが纏まらない。

このシチュエーションが俺の思った通りなら、どのルートを取っても破滅しか無いからな。





作者より


またまた思いつきで始めます。

前作が閲覧数伸びなかったので、反響悪ければ強制終了するかもです。

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