ごっくん
なんとか情報誌を入手して王都での噂に触れる。
王子と聖女の歳の差も取り上げられていないわけではないが好意的だと思える。
私が知る限り兄妹のような幼馴染みであったと思う。
「淑やかさを偽装できないと旦那の家庭を騙せないよ」
「聖女の外面舐めんな」
そんな会話が即思い出される。
あの二人が結婚を前提とした婚約……ないな。
それぞれに敵はいるらしいからハメられたのかな?
こわいもの知らずもいたものだ。
それとも私の見ていない場所ではそんな話題が広がるくらい睦まじかったのか?
串から外され、再加熱に小間切れにされた肉を情報誌を繰りながら口にする。齧るというよりしがむ。そんな感じの表現が正しい気がする。
絶望的に噛みきれない。縮むのだが飲み込めるサイズに噛みきれない。
本当に食用か?
「お行儀悪いですよ。旦那様」
小娘が一応、とばかりに声を掛けてくる。
「コレ、どうしてこんなに噛みきれないんだ?」
くだらないコラムに目を向けながら問う。
「多く噛めば、長時間楽しめますし、顎も強くなります。健康にいいんですよぉ」
それ、噛みきれない理由じゃないと思うが?
「あ、その記事! いいですよね。王子様と聖女様。お似合い過ぎて嫉妬心すら起こらないって気になりました。ニューは!」
「もう少し淑やかで腹黒で身長があれば考えてもいい」
確かそんな意見だったな。
「は?」
小娘が間抜けな声をあげる。
「義務とすべきが重過ぎてその立場で受益できる利点を越えないハズレ地位」
「は?」
そう。
「王子と聖女がたまにお互いを罵っていたんだ」
本当にあの二人は仲が良かったからなぁ。
「ぇえ。ニューの幻想がぁ。スープの具と一緒にごっくんするのがおすすめですよ」
ごっくんなのか。
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