木陰
「このジャムは森からのプレゼントですよ」
小娘が奇怪な発言をする。
庭の木陰で敷物を敷いた上で食べる削ったパンにのせられた黒い粘液は甘酸い香りだ。味気ないパンに甘味という変化がつくのは有り難くはあるのだろう。
「森が人に物を贈るわけがないだろう」
私の言葉にも小娘は笑って見せるだけ。
「ニューは命を繋ぐ糧には感謝をすべきだと思うのです。木苺のジャムは森が育んだ恵みですから」
小娘がにこにこしているのも苛立たしい。そんな考え方は知らない。
「つまり、私は小娘に感謝すべきだと言いたいわけだ?」
森から木苺を採取し、砂糖を足し煮詰め食卓に用意してみせたのは小娘であるのだから。
小娘はパチリと瞬きをし、頭を傾げた。
「いいえ。ニューが感謝したいと思いますよ。ニューは旦那様のお世話が大好きなのですから。ニューにとっては旦那様こそが命を繋ぐ糧と言えますね」
満面の笑顔で告げられた。
そんなこと、信じられるわけがないだろう?
お互いに何も知らない相手なのだから。
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