怖いようで全く怖くない話の連発!

崔 梨遙(再)

第1話  まずは軽くコンパクトで

①一人暮らしをしていた時、コーヒーカップのスプーンがクルクル回っていた。誰かがかき混ぜてくれたようだった。怪談として話すにはインパクトが弱いので、単に不愉快になっただけだった。



②就職試験、面接から帰って来てコーヒーをコップに注いだ。コップが宙に浮いた。そのままスライドして、床に落ちた。“やめて!”と思った。白いカーペットが真っ茶色になっていた。コップも落ちたが就職試験も落ちた。カーペットを復活させるのにかなり時間がかかって迷惑だった。



③学生の時、夕方7時頃、寝ていたら突然CDラジカセが最大音量で鳴り響いた。タイマーをかけていたわけでもなく、壊れていたわけでもなかった。とりあえず、CDラジカセは収まった。その時、電話が鳴った。たった今、友人が交通事故に遭ったという連絡だった。



④小学生の頃、学校の池の近くで遊んでいた。すると、目に見えない何かに横から押された。僕は池にはまった。“何かに押された”とは言えなかった。言ってはいけないような気がした。池の底はツルツル滑って、池の中で何回も転んだ。首まで水に浸かった。冬だった。僕は風邪をこじらせて1週間も学校を休んだ。







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