第23話―“ the Seven Deadly Sins”
「陽天剣、」「影淵剣、」
「「極致其の壱―」」
「―“
イズの漆黒の魔剣から伸びた影が何者かを閉じ込め、ルークの握る純白の魔剣に白焔を纏わせ、“影牢”ごと斬る―
「―相変わらず酷いなぁ。まだ何もしてないのに。君たちも『傲慢』じゃないかい?掻き消せ―〚
“影牢”の中の何者かがそう聞いたことない魔法であろうものを詠唱すると、漆黒の檻のみならず、ルークの白焔すらも消えてしまった。
「………!?なぜ、ここに……!?それに貴様は………!」
「『私たちが殺したはず』、とでも言いたいのかい?あははっ、そう簡単に殺されたら困るよ。自分たちの力を過信して油断するのは、さすがに『怠惰』が過ぎないかい?―〚
そう軽快に笑うのは、〝魔女狩りの一族〟と名乗った魔力無しだ。
「あの時、確かに姉上が魔眼で殺したはず……!生命反応も途絶えていた……!なのに、どうやって……!?」
「魔力が無いなら無いなりにできることはいくらでもあるんだよ。魔力が無いというイレギュラー因子がいるんだから、それくらいのイレギュラーは考慮できたんじゃないかな?特に、〝紫〟の弟君、君なら、ね!」
「―ッッ!?」
そうして瞬時に私の目の前に現れ、斬り掛かる奴。
私はイズを魔剣に戻し、無詠唱で召喚して受ける。
「影淵剣、極致其の弐―“
炎とは似て非なる漆黒を剣に纏わせ、反撃に出る。
「セアッ!」
裂迫の気合と共に、私は漆黒の剣を振るう。
「へえ、君も“至った”んだ。かなりレベルアップしてるね。少し厄介だ」
「貴様の相手はヴァイだけじゃないぞ?」
そうして純白の魔剣にて斬りかかる姉上。
「うん、知ってるよ。ただ……二対一はやりづらいなぁ。仕方ない、あんまり見せたくないんだけど……」
そう言いながら距離を取ろうとするので、私と姉上は同時に魔法を行使する。
「「〚
「ん?動けないな。……うん、この力、羨ましいな。それ、僕に頂戴?奪い取れ―〚
そう言うと、奴は身体の自由を取り戻す。
「「なっ……!?」」
「君達、確かこう言ってたっけ?―〚
奴がそう言うと、私たちは身動きが取れなくなる。
「ッ!?これは………ッ」
「私たちの魔法を………奪った…ッ!?」
私がそう言うと、彼はケラケラと笑う。
「正解。ただ、この力は少し面倒でね……。自分で喰らった分しか奪えないんだ。だから、これはもう使えない。でもまあ……十分だよね」
そうして、奴は両手を前に出し、詠唱する。
「姿を変えよ―
瞬間、奴の握っていた一振りの魔剣が、双剣に変化した。
「なっ………」
「剣が……、変化、した……?」
私は動けない中、驚愕で目を見開く。そんな魔剣、聞いたことがない。
そして近づいてくる奴。殺意すら感じ取れないその瞳に、私は恐怖すら覚えた。
「冥土の土産に教えてあげるよ。僕の名前はアリオス。〝魔女狩りの一族〟にして、〝
アリオスと名乗った奴は、そういうと二振りの魔剣を私たちに向けて構える。
「極致・双ノ型―流星」
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