第16話―覚醒、そして決着
「では―」
次の瞬間には、ラグナ殿は私の目の前に来ていた。
「―2回戦と行こうか」
「―ッ!!」
―速すぎる!
そう思いながらも、私はなんとか喰らいつく。
右。左。前。後ろ。斬り下ろし。横薙ぎ。袈裟斬り。逆袈裟。 四方八方から迫る様々な攻撃に、私は防戦一方だ。
それに少し焦りながら、私は攻撃を受け続ける。
「………そろそろ終わらせようか」
彼女は少し呆れたようにそう言うと同時に、彼女の魔力が消えた。
―来る……!
そう感じた私は、落ち着くために一つ呼吸をする。
相手の一挙手一投足を見る。どんな小さな動きでも見逃さないように。そうすると、自然と少し荒ぶっていた魔力が落ち着いていくのを感じた。
そして―ついにその時が来た。
「絶龍刀、極致其の壱―“
―受け切れない!
そう思ったのも束の間、私は首を切られた―と思われた。
その瞬間、私は『
そして―掴んだ。この剣の、“魂”を。本質を。
「影淵剣、極致其の壱―」
「何………っ!?」
そして繰り出すは、剣の奥義。
剣を逆手に持ち、床に突き刺す。
「―
瞬間、ラグナ殿を囲むように漆黒の『影』が剣から伸び、彼女を閉じ込める。
そこから、私はさらに畳みかける。
「影淵剣、極致其の弐―」
瞬間、漆黒の炎のようなモノが剣身を包み込む。
「―“
そして、その地獄の炎を纏った得物にて、“影牢”ごとラグナ殿を斬る―
「―“
「……ッ!?」
その瞬間、私の首元には、ラグナ殿の刀が添えられていた。
「―そこまでッ!」
その光景を見たディーレが、合図を出す。
「勝者、ラグナ様!」
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