第8話―蹂躙
“境界”まで飛んだ私たちは、そのまま飛行魔法で移動していた。
「結構いるなー。これは楽しめそうだ」
「ええ、私も少し楽しみです。……さて、この辺りでいいでしょうか」
「ああ。―行くぞ」
そうして私たちは滞空したまま背を合わせ、2人で魔法と権能を行使する。
私は両手を前に出し、操り人形を動かすように手指を動かす。
「
対する姉上は、右手を前に突き出し、その手のひらを上に向け、強く拳を握る。
「さあ、見せてもらおうか、貴様らの魂の形を。掌握せよ―“
その瞬間、戦場はまさに阿鼻叫喚と化した。
ある者は哄笑しながら味方に剣を振るい、ある者は魂を直接弄られるその壮絶な痛みに絶叫し、ものの数分でその戦場には陛下から言われた二割を残して、全て屍となっていた。
その様子を上から見届けた私たちは、ゆっくりと地上に降りた。
「全く。他愛のないものだな」
「ええ。大した魂の輝きも見れませんでしたし―」
その瞬間、2振りの剣が私を貫いた―ように見えた。貫かれた私の身体は霧散し、消えていった。
奇襲をかけようとしている者がいることに気づいていたため、予めスキル『
「「……何っ…」」
「気づいてないとお思いですか?」
装備から見るに、おそらく隊長格の者たちだろう。姉上にも、同じく2人のリーダーらしき人物が切り掛かっていた。
「チッ……化け物どもめ…殺し損ねたか」
「見た感じ魔女の末裔っぽいっスし、近接はいけると思ってたんスけどねぇ」
「私たちも舐められたものだな」
「全くです。たしかに魔女の末裔ですが―」
そして、私達は互いに逆の手の平を前に出し、剣を召喚する。
「―深淵に溺れよ、
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