粘土

水と粘土で何とか形を保たせるもの

それが心


周りの粘土が固まっていればいるほど

自分の粘土は 粘土の型に押し込まれ

そうして形成された粘土は自分ではなくて

けれど自分で粘土を形作っても

やはり自分ではない気がして


形を変える度に

ひびが入って

どんどん割れそうになって

どうにかしなきゃと思い 手を尽くしても

ひび割れが治るのは最初の数分だけ

すぐにひびは酷くなる


脆くなった粘土に加えられた衝撃は

粘土を壊し 再生不可能な状態に変えてしまう


粘土が柔らかければ 衝撃の影響も少ないはず

けれど疲れて固まりきった粘土は

粉々に打ち砕かれる


「誰か…」

「水という優しさで 私の粘土を柔らかくしてよ…」


言葉にならない願いは

今日も粘土の中で固まったまま

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