弱い自分

弱い自分を受け入れられないのは

受け入れてしまったら

弱い自分が前面に出てきてしまう気がするから

自分がもっと弱くなってしまう気がするから


自覚した弱さを形にしてしまったら

自分は弱くてもいいのではないかと思い

我儘になってしまうような気がして

そんな自分は赦されないように感じて


そうして弱くなった自分には

存在価値がなどなくて

安心できる居場所もなく

誰からも見てもらえないような気がして


今までの強くあろうとした自分を

砕けそうなところで なんとか持ち堪えた自分を

否定することになる気がして

少しずつ積み上げてきた努力が無駄になる気がして


だから今日も強くあろうとする

弱い自分は出てこないように

家のドアを開けた瞬間から弱さを封印して


もしかしたら弱い自分を受け入れてくれるような人が

自ら封印した弱い自分に気付いてくれるような人が

現れてくれるんじゃないか なんて微々たる期待を

少しだけ抱えて


今日もまた弱くない自分を演じよう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る