　掛け軸が　汚れ痛むと　愚痴こぼす　夫に旅の　意味を説き伏す

(ꐦ ◜ 言◝)ﾌﾌﾌ…　依道、心の短歌……

　次にやって来たのは二十二番札所・平等寺（びょうどうじ）。

　ライバル夫婦との別れに心が荒んだ……のかどうかは分かりませんが、夫が再び、私の掛け軸の巻き方にダメ出しをし始めました。

　見回せば、周り (納経所) にはたくさんの巡礼者がおられます。

　私は同じ過ちを繰り返さないために、そっと夫の耳元で囁きます。

「あんた……『巡礼』の意味って、何だか知ってる？ (超・低音ボイス) 」

　その一言で、はっとした様子のキヨっちゃん。

　それ以降、キヨっちゃんのお小言はすっかり収まりましたとさ。

　めでたし、めでたし！ (まだ、続きます)

(⚪︎ˊ̱˂˃ˋ̱ )　ん？　キヨっちゃんが震え上がっている？　いえいえ、それは気のせいですよ〜。

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