第3話 どうしたら昔みたいになってくれる?
自分のせいで彼がダメンズになったとはいえ、このままほっとくわけにはいかないのが夫婦。だから私は思い切って聞いてみた。
「ねぇ、宏一さん。どうしたら昔みたいに率先して、家事とかをしてくれた宏一さんになってくれる?」
夫はしばらく沈黙が続く。数十秒後、
「実は俺が悪いのは分かってた。でも昔、歩が優しくしてくれたから、それが忘れられなくて。」
予想外の返事に驚く。
(宏一さん、本当は気付いてたんだ。)
気付けば私の目からは、透き通った雫が流れる。それに気付いた宏一は、
「歩、ごめん。俺、これから昔に戻れるように頑張るよ。」
そして翌日からは昔の宏一さんに戻ったような生活をしてくれた。
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