第13話

凜は高山皐月の愚痴を聞いて、自分の力で彼女を助けたいと思った。そして、山本教授に相談し、彼女のボランティア活動の免除を大学に頼むことができないかとお願いした。


山本教授は、凜の提案を受け入れ、高山皐月と直接会うことを決意した。大学のカフェテリアで、山本教授と高山皐月は対面した。高山は少し緊張しながらも、山本教授に挨拶をした。


「高山さん、こんにちは。凜さんからお話を伺いました。ボランティア活動が勉強に支障をきたしていると聞きました。」山本教授は丁寧に話しかけた。


「はい、そうなんです。学費を免除してもらった代わりに、数学のボランティアをすることになっているんですが、勉強の時間が取れずに困っています。」高山は少し困った様子で答えた。


山本教授は頷きながら、「それでは、私が高山さんに数学の難解な宿題を出し、それに対する解答を見てみましょう。」と提案した。


高山は驚きながらも、その提案を受け入れることにした。山本教授は高山に高度な数学の問題を出題した。その問題は大学の数学研究の中でも特に難易度の高いもので、通常の学生ではなかなか解けないものであった。


高山は問題を受け取り、すぐに集中して解答に取り掛かった。周囲の学生たちが興味津々で見守る中、高山は見事な速さで問題を解き終え、正確な解答を提示した。山本教授はその解答を確認し、驚きと感心の表情を浮かべた。


「素晴らしい。高山さんの数学の能力には感服しました。」山本教授は感嘆の声を上げた。「あなたのような才能を持つ学生がボランティア活動に拘束されるのはもったいない。大学に対して、ボランティア活動の免除を申請します。」


高山は安心と感謝の気持ちでいっぱいになり、「本当にありがとうございます、山本教授。」と深く感謝の意を示した。


その後、山本教授の働きかけにより、高山皐月はボランティア活動から免除されることが決まった。高山は再び勉強に専念できるようになり、凜にも感謝の気持ちを伝えた。凜は、高山皐月との関係がさらに深まったことに喜びを感じていた。

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